量子効果が人間のDNAに突然変異を引き起こしていた! 最先端「量子生物学」の世界が超ヤバい
アインシュタインをして「不気味な」と言わしめるほど不可解な量子力学の世界なのだが、実は我々の肉体と無関係ではないどころか、DNAレベルで奇妙な“トンネル効果”を頻繁に発生させていることが最新の研究で報告されている。
■「トンネル効果」がDNAで起きている?
草創期から長らく理論的な思考実験の色彩が濃かった量子力学の世界だが、実用的な量子コンピュータの登場もすぐそこまできているともいわれており、空理空論ではないことを名実ともに体現しつつある。
では、量子論的現象は生物としての我々の肉体にも何らかの影響を及ぼし得るのだろうか。
これまで科学者たちは量子論的現象は生身の生物には起こらないだろうと考えてきた。たとえ起きたにせよ、人体では量子の振る舞いは小さすぎて何の影響も及ぼさないと見込んでいたのである。
しかし、近年になって量子力学の用語で生命現象を説明しようとする科学の一分野として「量子生物学(quantum biology)」が登場し、次々と新たな知見が得られている。そして最新の研究では、量子効果がヒトDNAの突然変異を引き起こしている可能性があることを示唆している。
目の前に壁があり、その壁の向こうに行きたいと望む時、古典物理学の世界では相応のエネルギーを発揮してその壁を飛び越えたり破壊したりしなければならない。当然だが、飛び越えたり破壊できるほどのエネルギーを持ち合わせていない場合は壁にはね返され、向こう側に行き着くことができない。
しかし量子力学の世界では、エネルギー的に通常は超えることのできない“壁”を粒子が一定の確率で通り抜けてしまう現象が起きており、それを「トンネル効果」と呼んでいる。
我々の肉体がコンクリートの壁を通り抜けられる確率は事実上ゼロだが、我々の身体を構成している粒子(陽子)がトンネル効果によって“壁”の向こう側へと移動できる確率は思いのほか高いということになる。
そして今回、英サリー大学の研究チームが「Communications Physics」で発表した研究は、我々の細胞内の二重らせん構造になったDNAにおいて、このトンネル効果が突然変異を引き起こしている可能性について検証しているのだ。
■トンネル効果も点突然変異の原因の1つ
DNAは細胞分裂時にはそのコピーが作られて遺伝情報が引き継がれるのだが、DNAの2本の鎖による二重らせん構造は、鎖の中でプラスの電気を帯びている水素原子が、マイナスの電気を帯びている部分と電気的に結合する「水素結合」で結ばれている。
水素結合の結びつきには規則があり、4つの塩基のうちグアニンはシトシンと、アデニンはチミンと結合すると決まっており、この塩基のペアを「塩基対」と呼ぶ。
この塩基対の並びが遺伝子情報ということになるのだが、常に100%正しくコピーされるというわけでもない。たとえば紫外線、放射線、発がん性物質などの影響や、複製時に起きたエラーなどで塩基対の並び方に誤りが生じる場合があるのだ。これは点突然変異(point mutations)と呼ばれ、この異常な遺伝子情報が各種の疾患など身体に悪影響を及ぼす可能性が出てくる。
もちろん細胞には、こうした変異を防ぐための校正システムが組み込まれていて、随時誤りは修正されているのだが、残念なことにこの校正システムをもってしても常に100%完璧に修正されるわけではないことが確認されている。
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2024.10.02 20:00心霊量子効果が人間のDNAに突然変異を引き起こしていた! 最先端「量子生物学」の世界が超ヤバいのページです。DNA、遺伝子、トンネル効果、量子力学、量子生物学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで