ついに宇宙が滅亡する瞬間に何が起きるか判明! 「最期の花火」後に「永遠の沈黙」そして…!
※ こちらの記事は2020年8月20日の記事を再掲しています。
この世の中の全ての存在に終わりがあり、現在では宇宙もその例外ではないと考えられている。宇宙の終わり、全てが永遠に沈黙する前には「最後の花火」が起こると、最近になって米国の理論物理学者が新たな理論を発表した。
・Scientist calculates the ‘sad, lonely’ end of the universe (Space.com)
宇宙は最終的に「熱的死」という状態を迎えると考えられている。およそ10^100(10の100乗)年後、星の誕生が止まって銀河は暗くなり、米イリノイ州立大学の理論物理学者マット・カプラン氏によれば、宇宙は燃え尽きる星とブラックホールばかりの「ちょっとだけ悲しくて、孤独で、寒い場所」になるという。
カプラン氏が今回注目したのは、そんな死にゆく宇宙で最後に起こる超新星爆発である。巨大な恒星(太陽の質量の8倍以上)では核融合反応が進んで鉄原子が蓄積されて重力崩壊を起こし、最後には超新星爆発で爆散する。だが、太陽の質量の8倍以下の小さな恒星がどのような最後を迎えるのかは、これまでよくわかっていなかった。そこでカプラン氏は、小さな恒星の成れの果てがどのように終わるのかを計算したのである。
太陽のような小型の恒星は、燃え尽きると最後には地球ほどのサイズのコアだけを残す。これが白色矮星であるが、質量が小さいために重力崩壊を起こさず、超新星爆発も起こさないと考えられている。白色矮星は数兆年にわたって冷え続けて固まり、やがて黒色矮星という暗い星になる。
黒色矮星にはもう星を輝かせるほどの核融合反応を起こすエネルギーは残っていないが、カプラン氏によると、その内部ではごくゆっくりと反応が続く可能性があるという。その結果、黒色矮星の中心にある電子の一部が破壊されて星の形を保っていた力のバランスが崩れ、巨大な恒星と同じように重力崩壊と超新星爆発に似た巨大な大爆発を引き起こすというのである。
カプラン氏の推定によると、この大爆発は今から約10^1100(10の1100乗)年後に発生し始め、10^32000(10の32000乗)年後まで続くという。最大の単位である無量大数が10^68(10の68乗)だから、もう人間には想像のできないスケールの現象である。
気になるのは、この「最後の花火」の後に何が起こるのかであるが、カプラン自身も「それを予想するのは難しい」と述べたうえで、次のように語っている。
「銀河は霧散し、ブラックホールは蒸発、宇宙は拡大して全ての物体が遠く引き離されてしまい、他の物体が爆発するのを観測することはできなくなるでしょう。光すら届かない距離になってしまうからです」(カプラン氏)
カプラン氏の論文は、今月7日付で「王立天文学会月報」に掲載された。
宇宙の死を理解することは今の人類には難しい。実は黒色矮星ですら理論上の天体であり、その存在は確認されていない。そもそも人類はまだ宇宙自体についてもよくわかっておらず、つい最近も地球から15000光年の距離にから脈打つように放射されるガンマ線のパターンを検出し、その意味するところや正体に頭を悩ませているところだ。宇宙の終焉という途方もないテーマを追求する物理学者たちこそ、本物のロマンチストなのかもしれない。
参考:「Illinois State University」「Space.com」「Monthly Notice of the Royal Astronomical Socity」ほか
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