降霊術で裸の少年の霊が出現 → 鏡の中に逃げ込む! 集団で目撃(横澤プロダクション)
[日本最恐の幽霊物件オーナー・横澤丈二連載コラム!] 100%幽霊が出る心霊スポットとして現在TVやネットで話題沸騰中の俳優レッスンスタジオ「横澤プロダクション」オーナーによる連載コラム。これまで、天井から出現する白い手や、謎の人影と声、ポルターガイスト現象など、数々の心霊現象が撮影されている。
<※幽霊物件オーナー横澤丈二・過去記事一覧はこちら>
弊社の稽古場で起こるオカルト現象を地上波で放送するにあたり、前回のコラムは番宣的になってしまったが、話を戻すと「稽古場の廊下で複数人の子供たちの幽霊を見た」のが実質前回までのあらすじだ。今回はFILE:05で、大量に生徒が辞めてしまった中で、スタジオに残ってくれた十数人のスタジオ生(劇団員、所属していた俳優、生徒、以下まとめてスタジオ生という)との再出発の話の続きをしようと思う。
■1994年、劇団再出発
十数人のスタジオ生が辞めずに残ってくれたことは大変嬉しかったのだが、会社の経済面としては厳しい再スタートとなった。ただ運良く、翌年(1994年)春の募集で30人程のスタジオ生が入ってくれたので、私はまた劇団として作品作りを始めることができたのだった。その時に協力してくれたのが大学時代の諸先輩方だ。先輩といっても年が十歳以上離れている大先輩が多かったのだが、その先輩たちから劇団を再出発させる際に、私はこんな助言をもらったのである。『舞台作りをするにあたり、劇団に足りていないのは大道具の充実さだ』ということだった。
先輩らは、せっかく本格的なオリジナル作品を作ろうとしているのに、大道具がチープではもったいないと言うのである。私は「なるほどな」と思った。しかし、大道具は発注して作ってもらうとなると軽く百万円を越えてしまうため、再出発したばかりの劇団としてはなかなか手が出せないのも事実だった。そこで私は「どうにかして自分たちでプロ顔負けの大道具が作れないか?」と考えた。すると、先輩らはそんな私の考えを否定するのではなく、なんと賛同してくれ、大道具の作り方から舞台演出、現役の舞台監督の招致まで含めて包括的に指導してくれたのだった。おまけに、ポスターを使った宣伝方法も指導してくれ、ポスター撮影用の一流フォトグラファーも紹介してくれた。本当にありがたいことである。
ここで良かったのは、自身が脚本・演出を担当すると、自分の思い通りに物事を進めるはずが、この年の舞台公演からは思い通りにいかなくなったということだ。
■演出家の話を誰も聞かないスタッフ陣
そりゃそうだ。スタッフとして入ってくれた先輩方は全員7〜12歳くらいの年上で、私の演出家としての意見なんて通るはずもない。自分の意見が全く通らず、一時はかなり落ち込んだものだが、自分の思い通りにいかない物作りが逆に自分の不勉強さを浮き彫りにさせてくれた。自身も精査されながらの物作りというのは、劇団のメンバーとともに舞台を通して新たに成長しているのを感じる瞬間でもあった。そうして怒涛のように秋の舞台公演が終わり、稽古場でスタジオ生たちとホッと一息ついていた時のことだ。「久々にアレをやりますか?」という話になったのである。
■久しぶりの稽古場野球で心霊現象
アレとは稽古場野球のことだ。稽古場野球というのはFILE:05でも述べたが、室内野球のことである。深夜までやっていると、1番廊下に近い場所、すなわち外野側を守っていたスタジオ生が一人、また一人と「もう外野を守りたくありません」と言ってくる。外野を守っていると廊下を走り回る幽霊の子供たちの笑い声や足音が聞こえてきて怖いというのだ。挙げ句の果てには50人近かったスタジオ生の半数近くが、その走り回る足音と複数の子供たちのキャーキャーいう笑い声を聞き、完全にビビってしまっていたのであった。と言っても役者を目指す人間の集まりなので、中にはもちろん変わり者もいて……。
Aくんという男の子は
「このビルには沢山魔物が棲んでいるはずだ。その魔物を実際に呼んでみましょう」と言い出すのであった。
Aくんは四年制の大学を出て、就職もせずに役者を目指している子で、行動力が人一倍早かった。
■Aくんの企みとは?
それはいつものように夜通し稽古場野球をやった翌日のことだった。外が明るくなるにつれてスタジオ生がどんどん帰っていく中、私とAくん、それから数人のスタジオ生で稽古場に残って雑談をしていた。そのまま時がたち、ほとんどのスタジオ生が帰ったところで突然Aくんが「あ、このくらいで丁度いいです」と言い出した。
私「何が丁度いいんだ?」
A 「横澤さんに僕、それから後輩の2人、ちょうど4人残ってますよね?」
私「だから?」
A 「今からこの4人で魔物を呼ぶ降霊術をやりましょう!」
そう言うなり稽古場のど真ん中に黒い布を敷き始めるAくん。その黒い布の真ん中には何やら魔法円のようなものが描かれていた。
私「ちょっと待てよ。そんなのどこで買ってきたんだ?」
A 「この日の為に自分で作りました」
私「自作の降霊術なんて危ないんじゃないの?」
A 「まーまー、そう堅いことは言わずに…僕、詳しいんで大丈夫ですよ」
最初は怖がっていたスタジオ生の2人もだんだん興味が湧いてきたのか、結局Aくんの言う通りに魔物を呼ぶ降霊術をやることになった。
その降霊術とはご存知の方も多いだろう。今だと「スクエア」と呼ばれる降霊術だ。真っ暗な部屋の四隅に1人ずつ立ち、最初の1人が壁伝いに2人目の場所まで歩き2人目の肩を叩く、1人目はそのまま2人目の居た場所に止まり、肩を叩かれた2人目は3人目のところまで壁伝いに歩いて行き3人目の肩を叩く。3人目も同じように歩き出し4人目のいる場所へ、4人目も同じように1人目の居た場所へ…というものだ。
突然、Aくんが安全ピンを取り出してライターの火で炙り始めた。何をやっているのかと聞くと「針を消毒している」と言う。そして……。
A 「先ずは言い出しっぺの僕からこの魔法円に血を一滴垂らします。こんなことを代表の横澤さんにやらせてすみませんが、魔物を呼ぶ為に人差し指をこの安全ピンでちょこっと刺して、血を一滴垂らしてください」
そこまでするのかと驚いたものの、私もスタジオ生の2人も渋々Aくんの言う通りに指に針を刺し、血を一滴ずつ垂らしたのであった。4滴の血が魔法円の中心に垂らされると、部屋の明かりを消した。そして「せーのっ!」の合図で1人目のAくんから壁伝いに歩き出した。真っ暗な中、Aくんは歩いてきて私の肩を叩いた。私は歩き出して部屋の角まで行き、スタジオ生の肩を叩いてその場に止まった。そのまま耳を澄ましていると3人目、4人目が壁を伝いながら歩いている足音がうっすら聞こえた。すると4人目のスタジオ生が
「ちょっとA先輩、何やってるんですか? タッチしましたよ。早く歩いてください」
とぶつくさ言い出した。
この降霊術をやると当然4人目は最初に1人目がいた場所に到着する。しかし、肩を叩こうにも1人目のAくんは2人目の私が居た場所に移動している為、誰かの肩を叩くなんて無理な話なのである。しかし、4人目のスタジオ生は5人目にタッチできてしまい、その上、相手がその場から動こうとしないもんだから文句を言っているのだ。
A 「お前…誰と喋ってるんだ?」
後輩「あれ? A先輩、なんでそっちに?」
A「そこからスタートしたんだから、そこには誰もいないハズだろ?」
後輩「え? じゃあ今、僕が触ってるのは誰なんですか?」
その瞬間、稽古場はパニックになった。しかも1番ビビって騒いでいたのが、なんとAくんだった。Aくんは恐怖のあまり稽古場の電気を点けてしまった…。
・バタバタと走り回る白く透けた裸の少年
電気が点いた瞬間、私たち4人は白く透けている裸の少年が狂ったように走りながら、魔法円の周りをグルグルと回っているのを見てしまった。そして、Aくんはさらにパニックになり、こんな魔法円があるからいけないんだと魔法円の布を引っ張ってぐちゃぐちゃに丸めてしまった……すると居場所を失った裸の少年は稽古場の鏡の中にパンっと乾いた音をさせて入っていったのだった。シーンとなる稽古場…。
後輩「途中で電気点けちゃったけど大丈夫なんですか?それに魔法円もぐちゃぐちゃにしちゃったし…」
私「うっすら透けていた白い少年も鏡の中に入って行ったぞ」
A 「僕には…全然わかりません」
なんと詳しいと言っていたAくんの知識はにわかだったのだった。そして、こんなはずじゃなかったと言いながら、そそくさと帰ってしまうAくん。
・後日談
一週間後、Aくんは左足を骨折して入院してしまい、退院後にギプスを巻いて稽古場にやってきた。命に別状がなく安堵したのものの、半年くらいはギプスが取れず杖をつく生活だった。私が何故骨折したのかと訊ねると、駅の階段から落ちてしまったと言うのである。これがまた不思議な話なのだが、Aくんは「誰かに押されて落ちた」と指揮りに言っていた。しかし、転落したのは早朝の出来事で、その駅で降りた人はAくんを含めて数人しかいなかったそうだ。Aくんの真後ろには誰もおらず、前方に1人階段を降りている人がいただけの状況だったと聞いて、背筋がゾッとしたことをよく覚えている。
そして、その後がまた大変だった。
降霊術をしたあの日から、頻繁に稽古場内で白い裸の少年が目撃されるようになり、鏡はいつもカーテンをして見えないようになっているのだが、そのカーテンが人が隠れているんじゃないかというくらい膨れ上が理、モゾモゾと動いたりするようになってしまった。またある日には稽古場でスタジオ生が発声練習をしていると1人全く違うトーンの声が聞こえてきて怖くて自主練ができなかったという事も……。
これは私の見解なのだが、恐らく廊下を走り回っていた子供の幽霊のうちの1人をあの降霊術によってこの稽古場内に閉じ込めてしまったのではないだろうか?
稽古場の中で何者かに取り憑かれてしまうスタジオ生は今までもいたが、ただでさえ不思議なことがよく起こる稽古場に本体がうっすら見えるくらいの幽霊が現れるわ、声はするわ…あの日を境に常に1人多いように感じる場所になってしまった。普通ならとんでもないことが起こってしまった、稽古場を変えなければと思うところだろう…しかし私、横澤丈二は頭がおかしいのか、1人増えた稽古場での今後の舞台作りに、それから鏡の中に消えてしまったい白い裸の少年探しに、心をワクワクときめかせるのであった。それではまた次回。
★「オカルトの棲む稽古場」で撮影‼【オカルトセブン7★】始動‼YouTubeはこちら。
第一話・消えた地下アイドル【前編】 ゲスト:TOCANA総裁 角由紀子さん/後半に巨大な白い手出現
第二話・消えた地下アイドル【後編】 ゲスト:千葉龍ディレクター
★以下の動画でもオカルトの棲む稽古場が取り上げられています。是非ご覧ください!
「角由紀子のヤバイ帝国【史上最高の心霊映像】」
「デニスの怖いYouTube【都内最恐心霊スポット・前編】」
「デニスの怖いYouTube/ニューヨークコラボ【都内最恐心霊スポット・前編】」
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