中世ヨーロッパの残酷な拷問器具7選! 犠牲者の苦痛を長引かせて見せしめにした狂気の歴史
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鉄の椅子
鉄の椅子は中世ヨーロッパの拷問器具である。椅子全体が釘で覆われ、座面の下が石炭を焚けるようになっている。犠牲者は鉄の椅子の釘が刺さって苦しんだり、座面の下で燃える火で生きたまま焼かれたりした。1800年代後半まで、姦淫、魔術、殺人などの罪を犯した者を処罰するのに使われたという。
鉄の椅子の効果は、犠牲者本人を苦しめるだけではない。犯罪の容疑者は、他の犠牲者が拷問を受けているのを見て恐怖し、自白してしまうこともあった。こうした心理的効果を高めるための工夫から、犠牲者を必ずしも死に至らしめるわけではない。しかし、犠牲者の多くは鉄の椅子から解放された後も感染症に苦しみ続けた。
中国では、鉄の椅子と類似した拷問器具が18~20世紀にかけて使用された。この拷問椅子は木製だが、肘掛け、背もたれ、足置き、座面に12枚の金属製の刃が備えられていた。ヨーロッパの鉄の椅子と同じく、犠牲者に恐怖を与える役割を担ったとされる。
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スペインのロバ
スペインのロバは三角柱の形をした木製の拷問器具である。この上にまたがった犠牲者は、角が股間に食い込むことによる痛みを味わう。拷問者は犠牲者をくすぐったり、足におもりをつけたりして、苦痛がさらに増すように工夫することもあった。
スペインの異端審問所によって考案されたスペインのロバは、異端とされた者たちを処罰するのに使われた。その後、アメリカ大陸に持ち込まれ、現代のカナダにおいてイエズス会に使用された。北アメリカのフランス植民地で1646年2月、数人の犯罪者がスペインのロバで処罰されたという記録がある。現在のアメリカにも普及し、南北戦争中は、「モーガンのラバ」と名付けられたスペインのロバが南軍の捕虜に対して使われたという。
スペインのロバは、死をもたらすのではなく、苦痛を与えることを目的としていた。しかし、多くの犠牲者がこの器具によって命を落とした。ほとんどの犠牲者の性器は破壊され、さらには尾骨が砕けることもあった。
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スペインのくすぐり器
スペインのくすぐり器、別名「猫の手」は、その名称とは裏腹に、犠牲者の体に一生消えない傷を残し、外見を大きく損なうことを目的とした残忍な拷問器具である。裸の状態で拘束された犠牲者は、スペインのくすぐり器を装備した拷問者によって、手足や胸、背中、首、そして顔をゆっくりと引っかかれた。皮膚だけでなく、骨も筋肉もズタズタに引き裂かれた犠牲者は時として死亡した。生き延びて解放されたとしても、感染症で苦しむことが多かった。
スペインのくすぐり器はスペインの異端審問でよく使われたが、中世ヨーロッパのほとんどの国で使用されたとされる。この拷問器具の形や大きさはさまざまだった。手に装着する爪状のものだけでなく、拷問者が遠くから犠牲者の皮膚を引き裂くことができるように、長い棒の先端に取り付けられているものもった。
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鋸引き
鋸引きは、中世ヨーロッパだけでなく、古代から世界各地で行われてきた。この拷問法にはさまざまなバリエーションがあるが、中でも有名なのは、十二使徒の一人である熱心党のシモンの処刑である。ペルシアで捕縛されたシモンは逆さまに吊るされ、鋸で鼠径部から体を垂直に切断されて殉教したという伝承がある。ルネサンス期ドイツの画家ルーカス・クラナッハがシモンの鋸引きを描いた。
日本でも長らく死刑の一つとして鋸挽きが採用されてきた。江戸時代より前は、罪人を縛り付けておき、遺族や通行人に鋸で首を引かせたという。江戸時代にも主人殺しの重罪を犯した者に対する死刑として、罪人を首だけ出して生き埋めにし、鋸とともにさらす刑罰があった。しかし、実際には鋸引きではなく、さらした後に市中引き回しにして磔で処刑した。
参考:「NextLuxury」、「STSTW Media」、「Live Science」、「All That’s Interesting」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊中世ヨーロッパの残酷な拷問器具7選! 犠牲者の苦痛を長引かせて見せしめにした狂気の歴史のページです。切断、拷問、死刑、強盗などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで