蛇、犬、猿、鶏とともに“親殺し犯”を袋詰め… 古代ローマの悪名高い刑罰「ポエナ・クルレイ」 とは?
ポエナ・クルレイで袋の中に動物が入れられた理由

ポエナ・クルレイで袋の中に動物が入れられた理由には諸説ある。動物が犯罪者の体を引き裂き、苦痛をもたらした可能性を指摘する説がある。一方、ローマ人が犯罪者を苦しめたかったのなら、より有害な動物を見つけられたと考えられる以上、動物は象徴的または儀式的な機能を有していた可能性があるとする説もある。
蛇は伝統的に「悪魔」と見なされてきた。『創世記』では、蛇がイヴをそそのかして知恵の実を食べさせたとされる。また、蛇の中でも、ポエナ・クルレイに使われたマムシは、誕生時に親を殺すと信じられていた。他の動物についても、猿は人間の狂気を、鶏は獰猛さと親殺しを、犬は狂犬病をもたらす存在として災いをそれぞれ象徴していたという。一方、鶏と犬は「罪の化身」とされ、親殺しによる汚染を取り除く手段だった可能性も指摘される。

現在、世界中の国々のほとんどの法制度で、親殺しは通常の殺人と何ら変わらないと考えられているため、ポエナ・クルレイのような特殊な処刑法は存在しない。かつて日本の刑法にも、父母と同列以上にある血族(尊属)を殺害した者に量刑を加重する尊属殺の規定があった。しかし、同規定は1973年、最高裁判所によって憲法第14条(法の下の平等)に反して無効であるとして死文化され、1995年には刑法から削除された。
親殺しに対する評価は時代や国によって異なる。その背景には家族制度、特に家父長制の変遷があったことも忘れてはならない。ポエナ・クルレイのような残酷な刑罰を視野に入れて歴史を紐解くと見えてくるものがあるだろう。
参考:「Amusing Planet」、「Medium」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊蛇、犬、猿、鶏とともに“親殺し犯”を袋詰め… 古代ローマの悪名高い刑罰「ポエナ・クルレイ」 とは?のページです。処刑、古代ローマ、親殺し、家父長制などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
歴史最新記事
人気記事ランキング05:35更新
- ・歴史の常識を覆す!? 5冊の“禁断の書”
- ・中国に“世界で最も高い橋”が完成 ― 東京スカイツリーに匹敵の高さ
- ・2つの巨石神殿のミステリアスな類似性
- ・謎の古代岩壁画「オネガのペトログリフ」
- ・地球は10億年先に“死の惑星”に
- ・人類の月面着陸“陰謀論”が再燃か!?
- ・「ヒトラーは月に逃げた」元ペンタゴン職員が衝撃暴露
- ・歌舞伎町でヤクザを12人も血祭りに
- ・孤島の灯台で“ツーオペ”が招いた悲劇
- ・ヒトラー最期の24時間!
- ・NASA内部告発者が警告する宇宙開発の“危険な”未来
- ・謎の「黒いピラミッド型UFO」が出現
- ・誰でも“時間を引き伸ばす”能力を持っている?科学が解き明かす「時間拡張体験」の謎
- ・ホーキング博士の予測は正しかった!
- ・鬼火(ウィル・オ・ザ・ウィスプ)の正体、ついに解明か?
- ・“エイリアンの秘密基地”とされるポポカテペトル山で謎の発光体が乱舞
- ・UFOに乗っているのは“高次元の地球人”だった!?宇宙人でも平行世界の住民でもなく… 識者が提示する「6つの証拠」
- ・歴史の常識を覆す!? 5冊の“禁断の書”
- ・「Wow! シグナル」、発信源は恒星間天体「3I/ATLAS」だった?
- ・中国に“世界で最も高い橋”が完成 ― 東京スカイツリーに匹敵の高さ