24の元機密資料から見るアメリカの実像! ミライ村虐殺事件、ホライズン計画、マピニサイレントゾーン(中編)

ホライズン計画

 NASAが1969年に世界初の有人月面着陸を成し遂げる前に、米軍内で少なくとも2つの戦略的な月面軍事前哨基地を建設する計画が立てられていた。

 機密解除された文書によると1959年に米陸軍は月面に「有人軍事基地」を建設する提案を作成し、陸軍の研究開発責任者によって提出されたその提案は「ホライズン計画(Project Horizon)」と呼ばれ、「月における潜在的なアメリカの利益を開発し保護する」ためのものであった。

 一方、米空軍が計画した別のプログラムでは、特定の軍事要件を満たす「月ベースの地球爆撃システム」を確立することが目的であった。具体的には1959年に提出された別の空軍の研究で説明された月での核兵器の使用に関するものであった。

 この研究は、当時イリノイ工科大学の物理学者であったレナード・ライフェルが主導し、天体物理学者で作家のカール・セーガンの協力も含まれていた。2010年の「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューで、ライフェルは「(核爆発の)最大の意図は、アメリカの力で世界を感動させることだった」と述べている。

 ホライズン計画は、アメリカの宇宙計画が米軍からNASA に移管された時点で、ドワイト・アイゼンハワー大統領によって継続は拒否されたため、実現することはなかった。

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月への往復が可能な宇宙船 画像は「Wikipedia」より

マピニサイレントゾーン

 機密解除された文書は、メキシコで最も奇妙な観光地に伝わる“都市伝説”を解明するヒントになる可能性がある。

 いわゆる「マピニサイレントゾーン(Mapimi Silent Zone)」はメキシコのドゥランゴにある小さな砂漠地帯で、訪れた人々にによるとこの地域は携帯電話が使えないだけでなく電波を送信することができないということだ。

 陸の「バミューダトライアングル」とも言われ、不思議な現象の報告が後を絶たない同地には、超常現象のハプニングを求める観光客が頻繁に訪れている。

 しかしこの地が興味深い場所である本当の理由は、宇宙人や超常現象とは何の関係もなく、実は米空軍による過去の大きな過ちに関係している。

 1970年、放射性同位体であるコバルト57が入った2つの小さな容器を搭載したロケットがドゥランゴ砂漠に墜落した。ちなみにコバルト57は「コバルト爆弾」と呼ばれる致命的な放射能汚染を引き起こす核兵器に使われるものである。

 2013年に機密解除された文書によると、ロケットはニューメキシコの標的に着弾するはずだったのだが制御を失い、マピミ砂漠地域に落下したのだった。この空軍の失敗の結果、コバルトの汚染によって電波障害や磁気異常などの現象が起こりやすくなり、それは地元では超常現象として語り伝えられるようになった可能性があるということだ。

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画像は「Pixabay」より

後編】に続く

参考:「Live Science」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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