世界を巻き込んだ未解決事件「ジェントルマン殺人事件」とは? ヤバすぎる新事実が判明!?

 今から約30年前、スーツ姿の「ジェントルマン」の遺体がドイツの沖合で発見された。重りをつけられ、海に流されたこの人物は一体何者で、どういう理由で殺害されたのか。今もその謎は解明されていない。英国のスパイだとする説もあるが、果たして……?

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※ こちらの記事は2022年8月14日の記事を再掲しています。

世界を巻き込んだ未解決事件「ジェントルマン殺人事件」とは? ヤバすぎる新事実が判明!?の画像1画像は、「The Sun」より

 1994年7月11日、独ヘルゴラント島の沖合20キロの地点で、国境警備隊の船が男性の遺体を回収した。遺体はウールのネクタイ、長袖の青いドレスシャツ、英国製の靴、フランス製のズボンを身に着けていたため、正体不明の「ジェントルマン(紳士)」と呼ばれるようになった。

 当時の剖検では、身長約2メートルの遺体の頭部と上半身に鈍器で殴られた痕跡が確認された。また、鋳鉄製の靴型が6キロのおもりとして括りつけられていたことも判明した。この靴型は、1920~30年代に作られた女性用で、英国の港湾都市ブリストルを拠点とする会社「AJ Jackson」の商標である「AJK」のイニシャルがエンボス加工されていた。

 今年4月、ドイツ警察はジェントルマンの身元を明らかにするため、彼が身に着けていたものの写真と新しい情報を公開した。その中には、ジェントルマンのネクタイのメーカーに関する情報もあった。男性が行方不明になった時点でカナダにも進出していた英国の小売業者「Marks & Spencer」が製造したものであるという。

 ドイツ警察が改めて情報公開した理由は、誤解を招く「ジェントルマン」という呼称の印象を修正することにあった。警察は「最新の情報を背景に、この印象は相対的なものでなければなりません」と述べた。M&Sのネクタイは大衆向けの商品で、靴には修理された痕跡があり、中古で購入された可能性もあるため、「死亡した男性が裕福だったとは必ずしも断定できません」と付け加えた。緑、黄、青の縞模様が特徴的なネクタイもさまざまな憶測を呼んでいたが、ジェントルマンが特定の組織に属していた可能性を示唆するものではないという。

世界を巻き込んだ未解決事件「ジェントルマン殺人事件」とは? ヤバすぎる新事実が判明!?の画像2画像は、「The Sun」より

 近年、英国のスタッフォードシャー大学とプリマス・マージョン大学の研究者らは、独ニーダーザクセン州の警察学校、および行方不明者の捜索を行う慈善団体「Locate International」と協力して、ジェントルマンの正体を明らかにし、彼を殺害した人物を特定するための検査を行った。

 そして昨年12月、ニーダーザクセン州ヴィルヘルムスハーフェンの警察はジェントルマンの遺体を掘り返してDNAプロファイルを作成、彼が45~50歳で死亡したという見解を発表している。ニーダーザクセン州の警察学校のカルステン・ベッテルズ氏は、「彼は船から漂流した可能性もあれば、英国から遠く離れた場所から漂流した可能性もあります」と述べた。

世界を巻き込んだ未解決事件「ジェントルマン殺人事件」とは? ヤバすぎる新事実が判明!?の画像3画像は、「The Sun」より

 さらに今月、意外な事実が明らかになった。オーストラリア・西オーストラリア州パースにあるマードック大学の犯罪学者と法医学者による検査の結果、ジェントルマンが人生のほとんどをオーストラリアで過ごしたという事実が判明したのだ。

 この新発見はオーストラリア全国行方不明者週間に発表された。科学者らはジェントルマンの骨の同位体比分析を実施。これは、世界各地の気候、土壌、食物、水、人間活動などの違いが、人体組織の同位体組成に反映されることを利用した分析手法である。今回の結果によってジェントルマンの生前に関する手がかりも得られた。

 現在注目されているのが、昨年12月に作成されたDNAプロファイルの分析結果が、オーストラリアでの分析結果と一致するかどうかだ。オーストラリアの行方不明者週間では、当局が未解決事件を解決へと導くためにDNA検査に参加するよう国民に呼びかけている。ジェントルマンは何者なのか、彼の親戚が現在も生きているのかどうか判明するかもしれない。

 マードック大学で未解決事件の再調査を指揮するディレクター、ブレンダン・チャップマン氏は、「このようにわずかな証拠からその人物の出身国がわかる可能性はとても低いものです」と、今回の発見はまさに奇跡的なものであるという。

世界を巻き込んだ未解決事件「ジェントルマン殺人事件」とは? ヤバすぎる新事実が判明!?の画像4画像は、「The Sun」より

 科学技術の進歩と各国の捜査機関の連携によって、28年間をかけてジェントルマンの実像が少しずつ明らかになってきた。報道先行で作り上げられた彼のイメージが書き換えられ、遠くない将来、事件が解決へと至るかもしれない。

参考:「The Sun」「The Guardian」ほか

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文=標葉実則

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