驚くべき精度で「人がいつ死ぬか」を予測できるAI システムが開発される

 自分はあと何年生きられるのか――。人間に必ず訪れる臨終の時期を8割の確率で言い当てるAIが登場して話題だ。

■AIが死亡年齢を78%の精度で予測

 若い時はあまり気にすることもないだろうが、中高年期にさしかかれば自分はいつ頃まで生きるのか考えることもありそうだ。そこで新たに登場したAIはあなたの寿命を8割の確率で断言するというから興味深い。

 デンマーク工科大学をはじめとする国際的な研究チームが先日発表した人工知能モデル「Life2vec(ライフトゥベック)」は人々の生涯における将来の出来事(死亡時期を含む)を予測できる能力を実証した。

「Daily Star」の記事より

「Life2vec」は、人の生活のさまざまな側面を予測するために大量のデータに基づいて深層学習トレーニングされた、いわゆるトランスフォーマーモデル(transformer model)であり、デンマークとアメリカの科学者チームによって作成された。

 出生時間、学校教育、教育、給与、住宅、健康状態など、600万人のデンマークの健康と人口統計記録からデータを入力した後、AIモデルは次に人生で何が起こるかを予測するようにトレーニングされた。

 作成者によると「Life2vec」はデータ分析に基づいて人々がいつ死ぬかを予測する不気味な能力を実証した。たとえば、35歳から65歳までの人々のグループ(その半数は2016年から2020年の間に死亡)を対象にテストしたところ、誰がいつ死ぬのかを78%の精度で予測できたのである。

「Daily Star」の記事より

■「保険会社によって使用されるべきではない」

 デンマーク工科大学のスネ・レーマン・ヨルゲンセン教授率いる研究チームは「Life2vec」はデンマークのデータのみを基にトレーニングされているため、ほかの国の人々にとっては結果がまったく同じではない可能性があると指摘している。またヨルゲンセン氏はこのようなAIが企業の手に渡るべきではないと主張しているが、すでに企業がこのようなテクノロジーを消費者に対して使用している可能性もあることを認めている。

「明らかに私たちのモデルは保険会社によって使用されるべきではありません。なぜなら保険の全体的な考え方は、不運な人が何らかの事件に見舞われたり、死亡したり、バックパックを紛失したりするのかについての知識の欠如を共有することだからです。私たちはこの負担をある程度分かち合うことができます」とヨルゲンセン教授は説明する。

 この「Life2vec」が一般公開される予定はないが、作成者らは同様のモデルがすでに開発されており、大手ハイテク企業によって使用されているのではないかと疑っている。

「Daily Star」の記事より

 驚くべき精度で余命を推定できるAIモデルを使用することには倫理的な問題があるのだが、否定できない利点が1つある。それは予防医療への関心を引き起こすことだ。8割の確率で的中する死亡年齢を言い渡されることで、当人の健康への関心が高まり予防措置を講じる可能性が高まることは確かに悪いことではないだろう。

「私たちのフレームワークにより、研究者は人生の結果に影響を与える潜在的なメカニズムと、それに伴う個人化された介入の可能性を発見することができます」と研究チームは言及している。

 人生の最期に向けて行う準備を指す“終活”という言葉もすっかり定着したが、AIによって導き出された死亡年齢を何年延ばすことができるのかが人生終盤の“メインテーマ”になる時代がやってきたのかもしれない。

参考:「Oddity Central」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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