ChatGPTのようなAIは人間を“思考停止”させる? AIの脳への影響に専門家が警鐘!記憶力と意思決定能力が低下する可能性

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 AIは我々を記憶力のない思考停止状態の人間に変えつつあるのだろうか―――。

 心理学者たちは、ChatGPTのようなAIが人間の精神に及ぼす影響について、懸念を表明している。AIに頼りすぎることで、自身の記憶力や分析能力が低下する可能性があるという。AIは便利なツールである一方、使い方を誤れば我々の思考力を奪う危険性も孕んでいると言えるだろう。

AIの過度な依存:記憶力と意思決定能力の低下

 アリゾナ大学の心理学研究者ジェシカ・コーラー氏は、AIアシスタント機能付き検索エンジンやAmazonのアレクサのような音声駆動デバイスへの過度な依存は、「自身の記憶力や分析能力の使用を阻害する」と指摘する。さらに、「時間の経過とともに記憶の保持が低下する可能性もある」と警告している。

 コーラー氏は、「AIが認知に与える影響は甚大で多面的である。AIは認知能力を高めるためのツールとして役立つべきであり、精神的能力を低下させる力であってはならない」と述べている。AIは便利な道具だが、使い方次第で毒にも薬にもなるということだろう。

 一方で、AIによる「認知的負荷軽減」にはメリットもある。AIに日常的な作業を任せることで、人間はより創造的な思考や戦略的思考に集中できるようになる。コーラー氏は、「AIを活用することで、日常的あるいはありふれたタスクをAIに任せ、認知的な労力をより有意義で創造的、あるいは戦略的な思考に振り分けることができるようになる」と指摘する。AIを有効活用することで、人間の能力を最大限に引き出すことができるかもしれない。

画像はUnsplashJonathan Kemperより

 AIは急速に人々の日常生活に浸透しているが、専門家たちは、この技術の進化があまりにも速すぎることを懸念している。

 国連は、AIのリスクと不確実性に関する「世界的な権威」となる専門家パネルの設置を勧告した。ケンブリッジ大学の研究者たちは、「生成AI開発の転換期にある」と警告し、「現実と捏造された歴史がオンラインで混同されるため、現実を形成する上での人間とコンピューターの間の新たな戦場となる」と述べている。彼らは、人類が最終的に過去に何が実際に起こったのかを理解できなくなるかもしれないと懸念している。9月に発表された論文では、「記憶と忘却に対する人間の主体性・自主性がますます脅かされている」と述べられている。

 AI技術の進歩は、我々の生活を便利にする一方で、人間の思考力や記憶力に影響を与える可能性がある。AIをどのように活用し、共存していくのか、真剣に考える必要があるのかもしれない。

参考:Daily Star

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