機密解除迫る“JFK暗殺”の真相とは… 単独犯行説を揺るがす5つの陰謀説

UnsplashFlorida Memoryが撮影した写真

 トランプ大統領が就任前から公開を約束しているJFK暗殺関連の機密文書だが、先日にはFBIの捜索で約2400件もの未公開の関連文書があることが報告されている。公開が待ち遠しい文書の数々だが、その暁にはオズワルド単独犯行説が覆されることになるのだろうか。この機会に単独犯行説以外の有力な5つの仮説を検証してみたい。

1.狙撃手2人説

 トランプ大統領の連邦機密解除ユニットのリーダーに任命された米下院議員(共和党)のアンナ・ポーリーナ・ルナ氏は「射殺犯は2人いたと思う」と述べている。

“狙撃手2人説”は実は何年も前から存在しており、オズワルドは罠にはめられて片棒を担がされたか、あるいははじめから2人の狙撃手による計画的犯行であったと信じる者もいる。この憶測はオズワルトがいた場所とは別の場所から銃弾が飛んでくる銃声を聞いたという証言によって煽られた。

 この説は3発目の弾丸の謎によってさらに裏付けられた。3発目の弾丸はオズワルドのいた場所から発射された可能性が極めて低い軌道をたどっており、弾丸は大統領の背後から命中し、喉から体外に飛び出して、同じく車に乗っていたテキサス州知事ジョン・コナリー・ジュニアに当たっている。

リー・ハーヴェイ・オズワルド 画像は「Wikipedia」より

2.マフィア説

 この話の主人公はニューオーリンズ・マフィアのボスであるカルロス・マルセロで、彼はケネディが大統領に就任したときにグアテマラに強制送還されてことでJFKに私怨を募らせていた。そこでマルセロは手下にJFK暗殺を実行させたというのだ。

 マルチェロはほどなくしてアメリカに戻る途中、自分は大統領の命を脅かし、その後は刑務所での自白でJFK暗殺の犯行を告白したとさえいわれている。

 陰謀論者が指摘するさらなる証拠には、オズワルドが殺害前にニューオーリンズを訪れていたことや、オズワルドを殺害したジャック・ルビーがマフィアとつながりがあったことなどがある。

3.副大統領説

 権力欲が強いといわれていたリンドン・ジョンソン副大統領が自分が大統領になるために暗殺を計画したという説もある。当然だが暗殺事件後にジョンソン大統領が誕生した。

空港の大統領専用機機内で大統領就任の宣誓をするジョンソン 画像は「Wikipedia」より

4.CIA説

 1961年、ケネディ政権はアメリカにとっての懸案であったフィデル・カストロ政権を打倒するため、CIAが支援した亡命キューバ人部隊による武装作戦を実行した。しかし、この作戦(ピッグス湾事件)はキューバ政府軍に鎮圧され失敗に終わった。

 軍事作戦の失敗により、CIAとケネディは困難な状況に立たされ、陰謀論者たちは事件後も両者の緊張が高まり続けたと考えている。そこでCIAがJFK暗殺を計画し実行したとする説が浮上することになったというのだ。

 当時の司法長官でケネディ大統領の実弟のロバート・F・ケネディは事件直後にジョン・マコーンCIA長官を自宅に呼び出して、「CIAが殺したのか」と詰問したともいわれている。

5.カストロ説

 フィデル・カストロ自身も疑惑の対象となっており、アメリカが彼の暗殺を試みた後、逆に彼がJFK暗殺を考えて実行したのではないかと考える者もいる。

 後任のジョンソン大統領でさえこの説を信じ、2回のテレビインタビューでカストロ犯行説を支持している。

 カストロ当人は疑惑は「まったくの狂気」だとし、もしアメリカがそれを知ったら残酷な対応をとるだろうから、それはあまりにも危険だろうと説明している。

フィデル・カストロ 画像は「Wikipedia」より

 はたして新たに公開されるJFK暗殺関連文書によってこの5つのうちのいずれかに当選マークがつけられることがあるのだろうか。公開に向けての期待はさらに高まっているようだ。

参考:「Mirror」ほか


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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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