第三次世界大戦、台湾有事… 350人以上の専門家が予想する「2035年の世界」

第三次世界大戦、台湾有事… 350人以上の専門家が予想する「2035年の世界」の画像1
イメージ画像 Created with DALL·E

 戦争、気候変動、地震をはじめとする自然災害のリスクと、先行が見えない不安な時代を迎えているが、10年後の我々はどのような不測の事態に直面しているのか――。新たな調査で国際情勢の専門家の4割が大国が関与する大規模な戦争が2035年までに勃発すると不吉な回答をしている。

■2035年までに第三次世界大戦勃発か!?

 国際安全保障と世界経済の繁栄にフォーカスしたワシントンの世界情勢シンクタンク、アトランティック・カウンシルによって実施された調査では、357人の専門家から今後10年の世界情勢についての見通しが聴取された。

「回答者の62%が10年後の世界は今よりも悪化すると予想し、改善すると予測したのはわずか38%だった」とアトランティック・カウンシルのチームは言及する。

 驚くべきことに国際情勢の専門家の10人中4人(40.5%)が2035年までに、アメリカ、中国、ロシアなどの大国が関与する世界大戦 が勃発すると予測していた。第三次世界大戦が勃発すると確信している人々の大多数は、核兵器や宇宙での戦闘が含まれる可能性が高いと言及している。

 国際情勢の専門家たちの多くはまた​​、今後10年間でアメリカとNATOを脅かす可能性のある新たな国際同盟が誕生すると警告する。

 中国、ロシア、イランはすでに10カ国からなるBRICSと呼ばれる政府間組織に加盟しているが、調査対象者のほぼ半数(47.4%)は、中国がロシア、イラン、北朝鮮と公式に結びつく新たな同盟を主導すると考えている。

 専門家はBRICSの同盟が近いうちにカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、アメリカからなる主要7カ国(G7)に匹敵する勢力になるのではないかと懸念している。

 中国の台湾侵攻については65%近くが今後10年に起きる可能性に同意している。これは昨年の調査から15%の増加となる。

 一方、専門家の45%は、ロシアが今後10年以内にNATOと戦闘状態に入ると予想している。

「今後10年以内に新たな世界大戦が起こると予想している回答者のうち、69%がロシアとNATOの直接衝突を予想しています」(アトランティック・カウンシル)

「憂慮する科学者同盟」によれば、2025年には核兵器を保有する国は9カ国になる。そのリストはアメリカ、ロシア、フランス、中国、英国、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮だ。

 また中東情勢では、専門家の大多数(62.5%)はパレスチナの状況は今後10年間変わらず、イスラエルが依然としてパレスチナ領土を占領し続けるだろうと予測している。そして半数以上(56%)が、イスラエルが2035年までにサウジアラビアとの外交関係を正常化すると予想している。

 今後10年以内にパレスチナが独立を果たすと信じているのはわずか17%で、イスラエルがイランとの友好関係を築くだろうと考える人は10%未満だった。

 このように戦争や紛争が多くの人々にとって大きな懸念事項であることが判明したが、世界の気候危機が依然として最も差し迫った問題であると考える専門家も多い。

 回答者の10人中3人(29.9%)は、気候変動が2025年から2035年までの世界の繁栄に対する最大の脅威であるとの見解を述べている。これは世界の大国間同士の戦争(27.6%)をわずかに上回った。ちなみに圧倒的多数は人間が地球温暖化の“犯人”であることに同意している。

 気候保護活動家らは、大西洋でのハリケーンの勢力拡大やカリフォルニア州の壊滅的な山火事など、最近の災害の原因は気象パターンの変化にあると主張している。

第三次世界大戦、台湾有事… 350人以上の専門家が予想する「2035年の世界」の画像2
画像はUnsplashMatt Palmerより

 専門家グループは気候変動が地球にどのような壊滅的な影響を与えるかについて具体的な予測は行っていないが、過半数(51%)は2035年までに危機を阻止するための世界的な協力が強化されると考えている。

 また年を追うごとにロボットの進出が進み、一般の人々の多くの仕事を奪うのではないかという懸念も高まっている。

 一方で興味深いことに、高度なAIの台頭は広く肯定的に捉えられており、ほとんどの専門家は自動化による失業の増加を恐れていないようだ。

「すべての予測が悲観的だったわけではない。例えば、私たちの『グローバル・フォーサイト2025』調査に参加した人の58%は、人工知能は総じて、今後10年間で世界情勢に良い影響を与えるだろうと感じていた」とアトランティック・カウンシルのチームは説明する。

 今後10年間で我々は何を目撃し、どのような体験に見舞われることになるのか。平穏無事に過ぎてほしいと願うのは人情だが、その一方で専門家であればこそあらゆる事態を想定しておかねばならないのだろう。

参考:「Daily Mail」ほか

関連キーワード:, , ,

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

第三次世界大戦、台湾有事… 350人以上の専門家が予想する「2035年の世界」のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング11:35更新