「世界人口、実は100億人超えてた!?」農村の“見えない人々”が明らかにした衝撃の事実

現在の世界人口は82億人ということだが、最新の研究では農村地域の人口は統計の数値よりも最大で180%多い可能性があるという。実際の世界人口はすでに100億人を優に超えているのだろうか――。
■農村地域の人口は平均54%過小評価されている
最新の国連の統計によると、世界の人口は82億人で、2080年代半ばには103億人に達すると予測されているが、ざっくりとした大まかな推定値であることは否めない。世界中のすべての人々を1人ずつカウントすることは不可能だからだ。
人口をかなり正確に追跡できる高度な国勢調査システムを備えている国もあれば、大幅に遅れている国もある。たとえば世界では身分証明書を持たない人が8億5000万人いると推定されているのだ。
フィンランドのアールト大学の研究チームが今年3月に「Nature Communications」で発表した研究では、世界中のダム建設によってどれだけの人々が移住させられたかが検証されている。研究チームは中国、ブラジル、オーストラリア、ポーランドを含む35カ国にわたる307のダム建設プロジェクトを調査し、1980年から2010年の間に完成したこれらのプロジェクトで多くの人々の移住が行われていたことを浮き彫りにした。
ダムによって移住を余儀なくされた人々の正確な数を数えようとしたとき、研究チームは迷路に迷い込み、最終的に大きな食い違いがることを発見した。研究者たちは報告された移住者数に基づいて、ダム建設前のこれらの農村地域の人口を推定したのだが、データセットでは農村地域の人口が平均53パーセント過小評価されていることがわかった。中には推定値が84パーセントもずれているエリアもあったのだ。言い換えれば最も優れたデータセットでも農村地域に住む人々の約半分しか捕捉していないことになる。
農村地域は地図化が難しく、入手できるデータは不完全な場合が多い。遠隔地では国勢調査員がすべての世帯を訪問するのに苦労する可能性があり、紛争や貧困の影響を受けたコミュニティが完全に見落とされる可能性もある。
最新の人口データセットの多くは、推定値を精緻化するために衛星データも利用しているのだが、インフラが密集し夜間も明るい都市部は比較的簡単に地図に反映させることができるが、木々に隠れていたり、小さな建物が点在していることが多い田舎の村は宇宙からはほとんど見えないのである。

政府や組織はインフラの計画、リソースの割り当て、災害への対応に人口データセットを活用しているのだが、当然だがデータが間違っていると重大な影響を及ぼす可能性がある。
たとえば災害リスクマップで農村部の人口が過小評価されていた場合、その地域での緊急サービスが不十分になる可能性があり、同様に医療が十分に受けられない状況になる可能性がある。
世界人口のほぼ半数が依然として農村部に住んでいることから、社会的包摂を目標とする国連の持続可能な開発目標を達成するためにも正確なデータが極めて重要である。
世界人口はすでに100億人を優に超えているのだろうか。その可能性はじゅうぶんにあり得るのかもしれない。
研究チームはダム建設計画の周辺にある農村地域での人口過少統計の可能性から、世界人口を予測することには限界があることを認識している。
しかし世界人口の実際の規模がいくらであろうと、これらの研究結果は人口データセットの限界とより正確なマッピングツールの必要性についてより広範な議論を巻き起こす可能性があり、研究チームはより最近のデータも含め分析を拡大する予定であるということだ。すべての政策の基礎になる正確な人口統計が早急に求められていることは間違いない。
参考:「ZNE Science」ほか
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