ソロモン王の「空飛ぶ絨毯」はハイテク兵器だった？ 4万人を運ぶ古代飛行船の正体

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　古代の神話や伝説には、神々や英雄が空飛ぶ乗り物で世界を移動する物語が数多く存在する。その中でも特に有名なのが「空飛ぶ絨毯（じゅうたん）」だ。この不思議な乗り物は、エチオピアの聖典『ケブラ・ナガスト』をはじめ、世界各地の伝承に登場する。

『ケブラ・ナガスト』は2世紀から5世紀の間に書かれたとされるエチオピアの最も神聖な書物であり、ソロモン王朝の系譜が記されている。この書の中で、古代イスラエルのソロモン王がシバの女王に空飛ぶ絨毯を贈ったという記述がある。これは単なるおとぎ話ではなく、古代人が目撃した何らかの飛行技術の記録なのかもしれない。

4万人の兵士を運んだ？ ソロモン王の巨大な絨毯

　伝説によれば、ソロモン王は神から鳥の言葉を理解する能力などを授かり、緑色の絹でできた「魔法の絨毯」を操って空を飛んだという。その描写は驚くべきものだ。絨毯の大きさはなんと縦横60マイル（約96キロメートル）にも及び、4万人もの兵士を乗せて飛行できたとされる。

「ソロモン王が絨毯に座ると風に捕らえられ、あまりの速さにダマスカスで朝食をとり、メディア（現在のイラン北西部）で夕食をとることができた」という記述もある。中東の伝説では、彼がこの飛行装置を使って各地を自由に移動していたとされ、ロシアの探検家ニコラス・ルークも1920年代に「ソロモン王が空飛ぶ機械でチベットまで飛来した」という現地の伝説を報告している。

兵器としての「空飛ぶ絨毯」

　空飛ぶ絨毯は単なる移動手段としてだけでなく、強力な兵器としても描かれている。紀元前2世紀のパルティア王フラーテス2世の物語は興味深い。彼は敵であるセレウコス朝のアンティオコス7世との戦いで、ザグロス山脈から空飛ぶ絨毯に乗って現れ、上空から「炎と稲妻」を発射して敵を攻撃したという。勝利後、彼は兵士たちの頭上を凱旋飛行したと伝えられている。

　アレクサンドリア図書館にはかつて無数の魔法の絨毯が存在したという説もあるが、これらは本当に「絨毯」だったのだろうか。古代宇宙飛行士説の支持者たちは、これらが地球外生命体から授かった高度な飛行機械だったのではないかと推測している。

古代インドの「ヴィマナ」との共通点

　これらの記述は、古代インド神話に登場する飛行機械「ヴィマナ」と驚くほど似ている。ヴィマナもまた、神々が乗り込んで長距離を移動し、時には宇宙空間へも飛び出すことができる強力な乗り物として描かれている。

　ソロモン王の絨毯やフラーテス2世の兵器、そしてヴィマナ。これら世界各地に残る「空飛ぶ乗り物」の伝説は、かつて人類が現代とは異なる形の高度なテクノロジーを目撃していた可能性を示唆しているのかもしれない。作家エーリッヒ・フォン・デニケンが提唱したように、これらはまさに「神々の戦車」だったのだろうか。

　もし古代の空に本当に何かが飛んでいたのだとしたら、現代の私たちがまだ到達していない空の旅が、遥か昔に存在していたのかもしれない。

参考：The Ancient Code、ほか

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