世界を震撼させた「動物密輸」の衝撃手口10選! スカートの中から悲劇を招いたワニの脱走まで…

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 動物の密輸は、動物福祉を無視し、生態系を破壊する許されざる犯罪だ。しかし、その手口の奇妙さと大胆さには、時に開いた口が塞がらないことがある。今回は、世界各地で発覚した、嘘のような本当の動物密輸事件を詳細に紹介しよう。

1. スカートの下に水族館

 2005年6月、シンガポールでの休暇を終えてメルボルン空港に降り立ったオーストラリア人女性。税関職員が彼女を呼び止めたのは、そのスカートが不自然に膨らみ、さらにそこから「ピチャピチャ」という水音が聞こえてきたからだった。

 調べてみると、彼女はスカートの下に特製のエプロンを着込み、そのポケットに水を入れた15個の袋を隠し持っていた。中には絶滅危惧種のアジアアロワナを含む51匹の熱帯魚が入っており、その価値は約3万ドル(約450万円)にもなる。彼女は機内ではスーツケースに入れていた魚を、着陸後にトイレでエプロンに移し替えたという。結果、彼女は有罪判決を受けたが、哀れな魚たちは生態系へのリスクを理由にすべて殺処分されてしまった。

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2. 腰痛対策? 自らの体を孵卵器にした男

 希少な鳥の卵を盗む「卵泥棒」として悪名高いジェフリー・レンドラム。彼はヘリコプターから断崖絶壁の巣へ降り立つなど、映画さながらの手口で知られる常習犯だ。2010年、バーミンガム空港で捕まった際、彼の腹部には靴下に入れたハヤブサの卵14個がテープでぐるぐる巻きにされていた。

 問い詰められた彼は、「慢性的な腰痛に効くと理学療法士に言われて、鴨の卵を温めているんだ」という苦しい言い訳を展開。しかし、車から孵卵器が見つかり万事休す。彼は自分の体温で卵を温め続け、孵化直前の状態で密輸しようとしていたのだ。押収された卵のうち11個が無事に孵化し、生き延びたことはせめてもの救いだろう。

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3. ズボンの中に100匹のヘビ

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 2024年7月、香港から深圳(シンセン)へ入ろうとした男のズボンが、税関職員の目を引いた。ポケットが異様に膨らんでいたのだ。中を確認すると、テープで封をされた6つの布袋が出てきた。

 袋を開けた職員は息を呑んだ。そこには色も大きさも様々なヘビが、合計104匹もうごめいていたのである。コーンスネークやミルクスネークなど、ペットとして人気のある種が詰め込まれていたが、万が一袋が破れていたらと思うとゾッとする話だ。

4. 股間にハチドリを隠す

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 ズボンの中は密輸業者にとって「人気の隠し場所」らしい。2009年にはオーストラリアで生きたハトを足に縛り付けて密輸しようとした男もいたが、さらに残酷なのがフランス領ギアナでの事例だ。

 オランダ人の旅行者が、生きたチドリ十数羽を布で包み、テープで拘束した状態で、特製パンツの内側に縫い付けたポケットに入れていたのだ。鳥たちは身動きも取れず、男の股間に押し込められていた。美しく小さな鳥を物のように扱うその手口には、世界中から非難が殺到した。

5. カーラーの中に詰められたフィンチ

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Naumann『Naturgeschichte der Vögel Mitteleuropas』(1905)より(パブリックドメイン

 カリブ海や南米では、小鳥のさえずりの美しさを競う大会が熱狂的な人気を博している。しかし、その裏では密輸が横行している。2021年、ガイアナからニューヨークへ向かった男がJFK空港で逮捕された。

 彼の手荷物からは、髪を巻くためのヘアカーラーに押し込められた29羽のフィンチが見つかった。密輸業者たちは、正規の検疫期間中に鳥がさえずりを忘れてしまうことを恐れ、こうした強引な手段で持ち込もうとするのだ。1羽1万ドル(約150万円)で取引されることもあるというが、鳥たちにとっては地獄のような旅である。

6. スーツケースいっぱいのクモ

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 2009年、リオデジャネイロで乗り継ぎをしようとした26歳のイギリス人男性。手荷物検査のX線画像に映ったのは、無数の小さな影だった。スーツケースを開けると、そこには個別の箱に入れられたクモがぎっしりと詰まっていた。

 その数、なんと900匹以上。彼はパラグアイでタランチュラなどを入手し、母国で販売する計画だったようだ。これだけの数の毒グモと同じ機内に乗り合わせることを想像しただけで、虫嫌いでなくとも背筋が凍るだろう。

7. 妊婦のお腹にいたのは「サル」

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 2007年、バンコクからアメリカ行きの飛行機に搭乗した妊婦。彼女は母親と一緒で、大きなお腹を抱えていた。しかし、その「赤ちゃん」は人間ではなかった。

彼女はシャツの下に、鎮静剤で眠らせたアカゲザルを隠していたのだ。入国審査さえも「妊娠中」という見た目で欺き、無事にアメリカへ入国。しかしその後、マサチューセッツ州でサルを連れて歩いているところを見つかり、親子共々逮捕されることとなった。

8. ケーキだと言い張ったカメ

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 近年のケーキ作りは進化し、本物そっくりの造形が可能だが、その逆を主張する密輸犯もいる。カイロからドイツに入国しようとした男が持っていたのは、ペストリー(菓子パン)の箱。しかし、透明な蓋からは明らかにモロッコリクガメの甲羅が見えていた。

 それにもかかわらず、男は「これはチョコレートだ」と言い張ったという。もちろん税関職員がその言葉を信じるはずもなく、絶滅危惧種のカメたちは即座に保護された。

9. 荷物の中に「動物園」

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 2011年、タイのバンコク国際空港で、UAE(アラブ首長国連邦)の男が逮捕された。彼のスーツケースを開けた職員たちは、目を疑った。そこはまるで「小さな動物園」だったからだ。

 中にはヒョウの赤ちゃん2頭、パンサー2頭、サル2匹、そしてツキノワグマの赤ちゃんまでが詰め込まれていた。動物たちは鎮静剤を打たれ、平たい檻に押し込められて身動きが取れない状態だった。ブラックマーケットで購入された猛獣の子供たちは、ドバイの富豪のペットになる運命だったのかもしれない。

10. ワニが引き起こした飛行機墜落事故

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 最後は、もっとも悲劇的で信じがたい事件だ。2010年、コンゴ民主共和国で小型機が墜落し、乗員乗客20名のうち19名が死亡した。当初は燃料切れなどが疑われたが、唯一の生存者の証言が衝撃を与えた。

 なんと、乗客の一人がスポーツバッグに隠して持ち込んだワニが機内で脱走したというのだ。突然現れた爬虫類にパニックになった乗客たちが、客室乗務員と共に操縦席の方へ殺到。これによって機体の重心が崩れ、パイロットが制御不能に陥ったとされる。ワニは墜落後も生きていたが、救助隊によって殺処分されたという。たった一匹の密輸動物が、多くの人命を奪う大惨事を引き起こしてしまったのだ。

 私たちが「かわいい」と求めるその裏で、今日もまた、小さな命が暗い荷物の中に押し込められているのかもしれない。

参考:MENTAL FLOSS、ほか

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