【衝撃】「650人殺害」は真っ赤な嘘だった!? 血まみれ伯爵夫人エリザベート・バートリは“少女を守る聖母”だった可能性

【衝撃】「650人殺害」は真っ赤な嘘だった!? 血まみれ伯爵夫人エリザベート・バートリは“少女を守る聖母”だった可能性の画像1
エリザベート・バートリ(バートリ・エルジェーベト)の肖像 出典 / パブリック・ドメイン Wikimedia Commons

 650人もの娘を次々に殺害し、若返りのためにその血をバスタブに満たし浴していたとされている「血まみれ伯爵夫人」は、本当に極悪非道の大量殺人鬼だったのか――。

■「血まみれ伯爵夫人」は濡れ衣なのか!?

 中世ヨーロッパ史上で「血まみれ伯爵夫人」として知られるエリザベート・バートリ(1560-1614)は、記録に残る最多の犠牲者を手にかけた女性連続殺人犯と考えられており、なんと650人もの女性を殺害したと断罪されている。しかし近年、少なくない研究者たちは、エリザベートはこれらの残虐行為に無罪であり、「仕組まれた」被害者だったと主張しはじめている。

 エリザベートに関する伝説は、彼女の生前からハンガリー王国全土に広まり、中には彼女が若さを保つために犠牲者の血を浴びていたという説さえ流布されていた。伯爵夫人と4人の召使いは、1590年から1610年の間に数百人の少女を虐殺したとして告発され、召使いたちは後に残酷な死刑に処されている。

 一方、エリザベートは1614年に謎の死を遂げるまで、現在のスロバキアにあるチャフティツェ城の邸宅に幽閉されていた。

「血まみれ伯爵夫人」のストーリーは長きにわたって人々の心を魅了しており、1812年にグリム兄弟によって有名になった童話『白雪姫』に登場する邪悪な女王のモデルであると考えられている。彼女はまたブラム・ストーカー(1847-1912)の『魔人ドラキュラ』をはじめとする吸血鬼の物語にも影響を与えた可能性があるとされている。

 2024年、ケンブリッジ大学の准教授、アヌーシュカ・ベイリー氏は、エリザベートはこれらの罪に全く無実であると主張し、大きな話題を呼んだ。ベイリー氏によればエリザベートは宗教的反逆者であり、書籍の密輸業者であり、莫大な財産と城の邸宅を利用して多くの若い女性や少女を教育した過激なフェミニストであったと主張している。

【衝撃】「650人殺害」は真っ赤な嘘だった!? 血まみれ伯爵夫人エリザベート・バートリは“少女を守る聖母”だった可能性の画像2
イメージ画像 Created with AI image generation

「人生の中で650人もの若い女性を一人ずつ殺す時間なんて、誰が持てるでしょうか。彼女はきっと忙しい人だったでしょう。私は探究し続けました。するとその650人の女性全員が、ハンガリー人が来る前にこの地域に住んでいた特定の階級の若い女性たちだったのです」とベイリー氏は「BBC」の取材で語っている。

「彼女たちは貴族だったが、財産を奪われ、この境界的で奇妙な空間に住んでいました。そして当時起こっていた戦争のせいで、男性の多くは亡くなっていたため、彼女らも未婚でした」(ベイリー氏)

 吸血殺人鬼であるどころか、エリザベートは地元の娘たちの独立を手助けする教育者であったというのだ。

「そこには、結婚できない十代の廃位された貴族の女性たちが大勢いました。そこでエリザベートは、彼女たちに読み書きを教え、居場所を提供する学校を設立しました。彼女はいわば支援施設を設立したのです。私は教育に携わっているので、これはとても素晴らしいことです」(ベイリー氏)

 チャフティツェ城で殺害されたとする娘たちの遺体は秘密のトンネルを通って棺が運び出されていたとの噂が広がる中、実は城で発見された遺体は実はたった一つのみである。ベイリー氏は650人の少女たちは実際には城から連れ出され、より安全な別の場所に移されたのだと説明している。

【衝撃】「650人殺害」は真っ赤な嘘だった!? 血まみれ伯爵夫人エリザベート・バートリは“少女を守る聖母”だった可能性の画像3
イメージ画像 Created with AI image generation

 さらにベイリー氏は、エリザベートが宗教的に反抗的な文書を執筆しており、それが若い少女たちに託されて密かに持ち出されたのだとも考えている。

 とはいえベイリー氏の理論はあくまでも一つの説に過ぎない。ほかの少なくない歴史家はエリザベートは確かにいくつかの件で有罪ではあるものの、それほど多くの殺人を犯したわけではなく、犠牲者の血を浴びていた可能性も低いと主張している。

 エリザベートに着せられた類を見ない大量殺人鬼という“汚名”が今後拭い去られることになるのだろうか。16世紀末前後の出来事であるだけに検証はきわめて難しいと思えるが、もしも濡れ衣だとすれば甚だしい歴史的な名誉棄損となるだろう。

参考:「Mirror」ほか

関連キーワード:, , , ,

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

【衝撃】「650人殺害」は真っ赤な嘘だった!? 血まみれ伯爵夫人エリザベート・バートリは“少女を守る聖母”だった可能性のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで