映画『ディスクロージャー・デイ』の元ネタは実話!? ニクソン大統領が友人に「宇宙人の遺体」を見せたという都市伝説の真相

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 現在世界各国で公開中のスティーブン・スピルバーグ監督最新作『ディスクロージャー・デイ』は批評家たちから高評価を受けているということだが、スピルバーグ監督は本作に米大統領が関わる“都市伝説”を取り入れているという。

■スピルバーグ新作に大統領絡みの“都市伝説”

 スティーブン・スピルバーグ監督最新作『ディスクロージャー・デイ(Disclosure Day)』は、サイバーセキュリティ専門家のダニエル・ケルナーと気象学者のマーガレット・フェアチャイルドが、地球外生命体の秘密を隠蔽する計画の中心に巻き込まれていく様子が描かれており、数々の“陰謀論”がフィーチャーされているということだが、その中には米大統領にまつわる“都市伝説”もあるという。

『ディスクロージャー・デイ』では、前大統領が売れない俳優の友人を宇宙人に引き合わせた後、政府は大統領に宇宙人関連情報を伝えるのをやめたと語られているが、これはスピルバーグがでっち上げた話ではない。

 これはリチャード・ニクソン大統領と、彼の友人であるコメディアンのジャッキー・グリーソンの物語である。

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リチャード・ニクソン Public Domain / Wikimedia Commons
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ジャッキー・グリーソン movie studio – ebay, パブリック・ドメイン, リンクによる

 2人はゴルフ仲間として親交があり、特にニクソンがグリーソンの熱狂的なUFO好きを知っていたことから、「ニクソンがグリーソンを秘密の軍事基地に連れて行き、エイリアンの遺体を見せた」という有名な都市伝説が残されている。

 伝えられるところによると、1973年2月19日、2人は数杯のカクテルを飲んだ後、大統領はグリーソンをフロリダ州のホームステッド空軍基地まで車で連れて行き、そこで彼にトラウマになり得るものを見せたという。

 滞在中、ニクソンは兵士たちに、防腐処理された4体のエイリアンの遺体をグリーソンに見せるよう命じたのだ。

 これらのエイリアンの遺体は身長が約60センチで、禿げ頭で大きな耳をしていた。彼らの死因や遺体の発見については明らかにされていないという。

 その生物を目撃した後、グリーソンは秘密を守るよう誓わされ、妻のビバリー・マッキトリック・グリーソンの待つ自宅に戻った。彼女によると、夫は明らかに動揺し、顔色が悪く、やつれた様子で帰ってきたという。

 グリーソンはその後、自分が目撃したことを妻に打ち明け、自分の評判が傷つくことを恐れて、エイリアンのことを誰にも話さないよう誓わせた。

 グリーソンとその妻が秘密を守る誓いを立てていたのなら話は広まらないはずだが、実はグリーソンとビバリーが離婚した後、彼女が周囲に話し始めたという。

 具体的には、彼女は未発表の回顧録にそのことを書き、1980年代にはインタビューで人々にそのことを語り始めた。

 この話は最終的に信頼性に欠けるタブロイド紙「National Enquirer」紙に「宇宙人は実在する! ジャッキー・グリーソンに聞いてみろ――彼は実際に宇宙人を見たことがある」という見出しで掲載された。

 これは実話なのか?

 編集者のトム・パーシバル氏が英紙「Metro」に寄稿した記事では、この都市伝説には根拠がまったくないことが指摘されている。

 まず第一に、大統領はまるでスーパーに牛乳を買いに行くように、気軽に空軍基地まで車で行くことはできないという。常に警備員に囲まれ、追跡されているのだ。

 次に、ビバリーの動機を考慮する必要がある。彼女は自分の本を売り込むためにこの話を語ったのだが、出版社の関心を引くためにも、UFO好きな元夫と失脚した大統領との間で宇宙人に関する作り話をでっち上げれば人々の注目を集めることは間違いない。

 最後に、一部のUFO研究家は、グリーソンがUFOに興味を持っていたことを、彼が地球外生命体について何か「知っていた」証拠として挙げることが多いが、彼のUFOとエイリアンへの執着は、基地へ行ったとされる十数年も前の1950年代後半から1960年代にかけて始まったものであるということだ。

 確かにニクソンの日記には1973年2月19日にグリーソンと会ったことが記されているが、残念ながら、大統領の公表されたスケジュールには酔っ払って宇宙人のミイラを見に行くような予定はあったはずがないということだ。

 UFOコミュニティの夢を壊しかねないパーシバル氏の言及であるが、逆に言えばスピルバーグ監督はいつでもUFOファンの味方であるようだ。10月1日の『ディスクロージャー・デイ』の日本公開を楽しみに待ってみてもよいのだろう。

参考:「Metro」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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