“最近の樹海”はどうなってる?『完全自殺マニュアル』にも記された宗教施設に首吊り死体…「キ号冒険学校」が見た驚愕の実態とは?
樹海の中にいきなり、小屋が建っている。小屋といっても先ほどの祠のような時代がかったものではなく、近代的なプレハブ建設だ。キッチリとシャッターが閉められている。そしてそこから少し歩くと、あからさまに人工で作られた石の橋が出てくる。その橋を渡ると、墓の群れと、母屋らしき建物が……。樹海の中に建っているにしては、やたらと立派な一軒家である。
入り口の部分には
『祈りの言葉
実在者(ルビ:おおがみさま)の御心が此の世に
顕れますように
一、神(諸法実相)の国が開かれますように
一、凡ての人が神(諸法実相)に蘇りますように』
と書かれている。
もう「うわ、やべ〜っ」て雰囲気である。これを書いた人に会いたかったが、残念ながらカギが閉まっていて、ノックをしても反応がない。
実は僕は昔、この道場に取材に来たことがあった。『乾徳道場』という名前の施設で、名著『完全自殺マニュアル』にも存在が記されている建物である。皆さんの想像通り、宗教施設である。以前僕がここを訪れた時には、教祖と教祖の奥さん(らしき人)がいらっしゃった。年の頃は80歳くらいだろうか。頭を丸めた、僧形だった。その時は、親切にも、部屋の中に上げてくれて、おせんべいやお茶も出してくれた。
乾徳道場は、樹海で即身仏になったお坊さんの祠を中心にできた建物らしい。
「わしは太平洋戦争で死ぬ気だったんだ。しかし入隊した途端、戦争が終わってしまって。どうしたらいいか分からんくなって10年間自殺しようかどうか迷って、この場所にたどり着いた。そして死ぬ覚悟で修行を始めた。最初は何もなかったが、里の人たちが死なれては困るというので小屋を建ててくれたのが始まりだ」
などと語ってくれた。自殺を止めるために……たって、立派な小屋を建てすぎじゃないの? って気がするが。僕の住むアパートの何倍の広さなんだろうか。
信仰の内容は、かなりのカルト系仏教。
「ここは神の国が来る日を自覚する道場なのだ!! 神の国。そこには人類はいない。人がいない世界だ!! 私たちは、人類を終わりにする仕事をしているのだ。そしてその時はもうすぐ来る!!」
なんて物騒な話を、真顔で何時間も話してくれた。正直、かなりオウム真理教っぽい。怖いなあと思いながら話を聞き続けると、夜になり、外は真っ暗になってしまった。樹海の夜はとても暗い。こりゃ帰るの大変そうだな……と思っていると、
「帰りは危ないから、送ってやろう」
と言ってくれた。一緒に歩いて帰るのかと思ったら、最初に見つけたプレハブのシャッターを開けると、中から4WDが出てきた。なにその近代装備!! 時間をかけて登った道も、5分くらいで戻ることができた。
隊員にも、教祖を紹介したかったのだけど、不在なら仕方がない。諦めて家の周りをぐるり回る。簡易トイレがあったり、カマドがあったり。全然、生活できる。
建ち並ぶお墓は、かなり古いものもある。おそらく江戸時代からのものだろう。そのお墓の下には穴があった。樹海は溶岩でできた森なので、ところどころに穴が開いている。観光地の、風穴、氷穴も、ようは巨大な穴である。
中に入ってみると、これがものすごく広い。小学校の教室くらいのサイズである。みんなでキャアキャア言いながら散策している途中に、
(あ……ここが、前に教祖が言ってた、高僧が即身仏になった場所だな……)
と思い出したけど、ブルーな雰囲気になるのも嫌なので黙ったまま帰宅した。
というワケで、キ号冒険学校第1回樹海編はこれにて終了。第2弾もすぐに実行予定です!! お楽しみに!!
(取材&文/村田らむ、取材協力/キ号冒険学校)
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2024.10.02 20:00心霊“最近の樹海”はどうなってる?『完全自殺マニュアル』にも記された宗教施設に首吊り死体…「キ号冒険学校」が見た驚愕の実態とは?のページです。キ号冒険学校、村田らむ、樹海などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで