360年前の詩集に世界最古の顔文字!? スマイリーフェイスから分かる、脳の驚異と神秘
顔文字とは携帯やEメールの発達と共に、メッセージを送る時に作られたと思っている人が多い。しかし 🙂 などのスマイリーフェイスははるか昔から使われていた可能性が高いらしい。
■最古の顔文字
文芸評論家のリーバイ・スタールは1648年に書かれた詩に顔文字が書かれているのを偶然見つけた。英国の内戦時代の詩人、ロバート・へリックの詩「To Fortune」の第二行にその顔文字らしきものである 🙂 が登場する。
‘Tumble me down, and I will sit
Upon my ruins, (smiling yet:)’
(例え私を突き飛ばしても、私は自分の残骸の上に(微笑みながら:)座る)
どうだろう? 内容といい、使用する部分と言いスマイリーフェイスとぴったり合っている。スタールはこの記号が誤植かどうかを知りたいと思い、昨年、オックスフォード大学出版によって発行されたヘリックの詩の2巻と照合してみた。その結果、スタールは顔文字がそこにも含まれている事を発見した。スタール氏は、へリックはウィット豊かな詩人なので、これはただの誤植ではなく最古の顔文字かもしれないと考えている。
そして、もしこの顔文字が故意に作られたものなら、顔文字の起源は今までの常識よりも200年以上も前にさかのぼることになる。
ニューヨークタイムズのシティルーム・ブログによると現在、最も古い顔文字と考えられているものは、アブラハム・リンカーンが1862年に行ったスピーチにあるもので、ニューヨークタイムズの保管資料から見つかった。その記録には、(applause and laughter ;)(拍手、そして笑い)の部分に顔文字が使われている。
しかし、ニュー・アトランティス紙の記者アラン・ジャコブ氏は「これを信じる人々をがっかりさせたくないが17世紀の詩にも、1862年のリンカーンの原稿にも顔文字が使われていたとは思わない。もし、へリックが本当に顔文字を使ったかどうか知りたければ、彼のオリジナルの原稿を探すべきだと考える。特にあの時代は印刷技術が定まっていなかったので、印刷がどれほど正確か疑問である」と語る。そしてジャコブ氏は19世紀に出版されたへリックの詩集を調べてみたが、そこには顔文字は印刷されてなかった。これに最終的な結論を出すには、この詩のオリジナル原稿を見つけなければ無理であろう。
一方、近代の顔文字の起源としては、ピッツバーグのカーネギー・メロン大学のスコット・ファールマン教授が発明者という事になっている。ファールマン教授によれば、1980年代初めカーネギー・メロン大学のコンピューター・サイエンス学科のインターネット掲示板で顔文字は使われ出したという。ある時、その掲示板でちょっとした冗談として記した文章が社会の安全を脅かす重要問題として受け取られてしまった事件があった。それ以来、インターネットの掲示板等でジョークを書く時にはそれを示す何らかのマークを使うべきだと言う提案が人々から出た。そこでファールマン教授の頭に、 🙂 の顔文字を“笑い”として使う事がひらめいたという。そして同時に教授は、同じ掲示板で 🙁 を「これは真剣に受け取らないように」という事を示す印として提案した。しかし何故かこの印は不満、苛立ちまたは怒りの印として広まってしまったのだと言う。そしてこの顔文字は、コンピューターがやっと一般的になりつつあった初期のネットワークを通じ、大学やその周辺、他の学校機関や研究室に素早く広まった。
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2024.10.02 20:00心霊360年前の詩集に世界最古の顔文字!? スマイリーフェイスから分かる、脳の驚異と神秘のページです。顔文字、研究、美加 リッター、最古などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで