360年前の詩集に世界最古の顔文字!? スマイリーフェイスから分かる、脳の驚異と神秘
■顔文字は何故すぐ受け入れられたのか?
顔文字を研究するオーストリアの研究者グループによれば、笑いや悲しみを示す顔文字は人間の脳の動き方に変化を与えたと言う。人は文章にある顔文字を見た時、脳が通常、実生活で本当の人間の表情を見る時に使う部分を作動するという。そして顔文字は脳内部では本当の顔として処理される。研究者たちは顔文字が広く使われるようになった最大の理由はこれだと考えている。何故なら、人間は常に無意識のうちに他の人間の表情に注目し感情を読み取ろうとしているからだ。研究者チームは、顔文字がこの理論に当てはまるかどうか知りたいと考えた。そこで彼らは本当の顔、笑顔の顔文字、そしてと意味のない文字を並べた画像を20人の参加者に示した。
参加者が異なるイメージを見た時の脳の電気活動パターンを知る為に、電気生理学が用いられた。その結果、我々は顔文字に対して人間の顔を見た時と同じように反応する事が分かった。
チャーチ博士はこの現象についてこう説明する。赤ちゃんが持っている元来の神経系統は顔文字に対して反応しない。そして同様に1982年以前には、 🙂 マークが人間の大脳皮質の敏感な部分を動かす理由はなかった。しかし今、人間はこのマークが顔を示すことを知っている。その為、我々の脳はこのマークに反応を示すのだ。この脳の動きは文化的かつ後天的に作りだされた神経の反応であり、驚異的な現象だ。
アデレードのフリンダース大学心理学部のオーウェン博士は 「顔文字は我々が作った新言語の形である。そしてそれに伴い、その新言語を解読する脳の新しい活動パターンをも我々は作り出した」とABCニュースのインタビューに答えている。
たかが顔文字ではあるが、顔文字が素早く伝播した背景には人間の頭脳の働きが深く関係しているらしい。欧米圏のスマイリーフェイス 🙂 や 🙁 と、東アジアの顔文字 (*^^*) や (*_*) は異なるが、双方とも人間の表情を模しているという点では全く同じだ。新生児はかなり早い時期から周りの人間、特に母親の表情を読み取るという研究がある。顔文字の急速な広がりからわかることは、人類にとって相手の表情を読み取ることは生きていく上で非常に重要なコミュニケーション能力なのだということだ。
(文=美加リッター)
参考:「Daily Mail」、「Ask.com」
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