【新事実】女性同士のセックスでもHIVに感染する! 一体なぜ?
かつては「死の病」だったHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染。だが今では数多くの治療薬の登場で、治療を続けていれば、体内からウイルスを完全になくすことはできないものの、死はかなり避けられるまで進歩している。
HIVというと、男性同性愛者同士か男女同士の性行為で感染するというのが一般社会だけでなく、医学界でもほぼ常識化されていたが、実は、今年に入ってアメリカのテキサス州で女性同士のセックスでHIVに新たに感染した事例が報告された。女性同士のセックスでの感染報告はほぼ世界初と言っていい。
■なぜ感染? 女性同士のセックス
女性同士のセックスというと、一般にはオーラルセックスが中心。中にはいわゆるバイブレーターなどの器具を用いる場合もある。
今回、女性同士のセックスで感染が確認されたのは、テキサス州在住の46歳の女性。彼女は厳密にいえば両性愛者だったが、感染判明時点からさかのぼって過去5年間は3人の女性のみしかパートナーはいなかったという。
日常的に売血をしていて、2012年3月の売血時はHIV感染は確認されなかったが、翌4月に発熱、下痢、のどの痛み、筋肉のけいれんなどの症状で病院を受診し血液検査したが、再びHIV感染陰性。ところが、同じ4月中に再び売血に行き、その時の検査でHIV感染陽性とわかった。
過去に女性同性愛者のHIV感染報告がなかったわけではない。ただ、HIV感染は性行為だけでなく、注射器での麻薬の回し打ち、刺青、鍼治療、輸血、移植手術などでも感染する。過去の女性同性愛者の感染事例は、こうした性行為以外のリスク因子があったため、女性同士のセックスが原因の感染とは断定できなかったのである。
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