「これほどの若返りは見たことない」と臨床実験会社を言わしめた製品!? 「TAM-818」の謎に迫る!
生物の寿命のカギを握るテロメア。そのテロメアが短くなることが老化の本質だということがわかってきた。さらにテロメアは、テロメラーゼという酵素によって長くなり、人の寿命が長くなることまでわかってきている。
このヒトテロメラーゼのRNA成分(“htR”)を共同発見し、この発見の特許を取得、20年近くテロメラーゼ研究に携わっている第一人者、ウィリアム・アンドリュース博士が今年1月、初来日した。その理由は、テロメア短縮化を抑える画期的な物質を配合した化粧品が日本で2015年4月限定発売されるからだった。
トカナでは、博士のテロメラーゼ研究について単独インタビューした。
■短くなったテロメアの長さを復活させる潜在能力に着目
――—テロメラーゼという酵素は、テロメアにどう働きかけるのですか? それは人体のなかにもともとあるものなのですか?
博士 テロメアとは、染色体の先端にある構造であり、細胞分裂するたびに短くなります。人体にはさまざまな細胞がありますが、そのなかには細胞分裂してもテロメアが短くならない、正確に言うと、「短くなってもまた長さが復活する」力を持った細胞があります。それは3種類あり、そのひとつが生殖細胞です。
では、なぜ生殖細胞のテロメアの長さが復活するかというと、テロメラーゼという酵素が作り出され、それが作用するからです。しかし、生殖細胞以外の細胞はその酵素を作り出してはいません。だから、テロメアが短くなると同時に老化していくことがわかりました。
そのことをもとに、「テロメア短縮化を抑える方法、さらには長くする方法が存在する」という仮説をたてたうえで、私が活性化に成功したのが、ヒトテロメラーゼです。
すべての細胞にはDNAがあります。そして、老化を戻す働きを持っている酵素=テロメラーゼを作り出すコードも、すべてのDNAに含まれています。そして、本来はすべての細胞のなかに、短くなったテロメアの長さが復活する潜在能力があるということも、わかったのです。
――—DNAに含まれるコードというのは、テロメアの「TTAGGG」という塩基配列のことですか?
博士 そうです。通常テロメアの塩基配列は、胎児では1万5000塩基の長さを持ちますが、誕生時にはすでに約1万塩基まで減少してしまいます。その後さらに減っていき、加齢して5000塩基くらいになると、細胞の機能が果たせなくなり、ヒトは死を迎えます。通常は、一般の細胞の、こうした老化を止めることはできません。
私が開発しているのは「老化を戻す働きのある酵素=テロメラーゼを作り出していない一般の細胞に対して、細胞の中に入り込んで刺激を与えてテロメラーゼを作らせる物質」なのです。
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