機体のわずか30m先に「9mの黒い三角形」—— ブラジル空軍が2025年のパイロット目撃18件を機密解除、”Hotel traffic”報告の中身

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 南米の空で操縦桿を握るパイロットたちが見上げた「何か」の記録が、また一束、表に出た。

 ブラジル空軍(FAB)が2025年中に受理したパイロットからのUFO/UAP目撃報告18件を、国立公文書館(Arquivo Nacional)を通じて公開したのだ。

 軍の内部でこれらは「Hotel traffic」と呼ばれている。未確認の飛行物体を指すときにFABが使う符牒だ。そして今回のファイルには、旅客機のわずか30メートル先に現れた全長約9メートルの黒い三角形という、背筋の冷える一件まで含まれていた。

「Hotel traffic」——空軍が未確認機を呼ぶときの符牒

 公開されたのは、ファイル番号915から932までの18件。いずれもFABが2025年に受け取ったパイロットからの目撃報告である。

 窓口は国立公文書館の情報システム「SIAN」(sian.gov.br)で、オンラインで閲覧できる。FABが毎年恒例で行っているUFO報告書の定期公開の一環だ。

 この動きを最初に伝えたのは、ブラジルのUFO研究者ロニー・ヴェルネ氏である。同氏は2026年8月18日、自身のXアカウントでファイルの公開と概要を報告した。

 ただし残念な事実もある。18件はすべて記入済みの報告フォームのみで、写真も動画もレーダー画像の添付も一切ない。表に出たのは「何が見えたか」を綴った紙束であって、映像的な物証ではないのだ。

30メートル先の黒い三角形、航空機15機分の巨大な光体

 物証がないとはいえ、記された内容そのものは十分に異様だ。ヴェルネ氏が特に興味深いとして挙げた事案は、いずれも2025年に発生している。

 最も緊迫感があるのは、冒頭に触れた黒い三角形の一件だろう。大きさは約9メートルと見積もられ、目撃した航空機からの距離はおよそ30メートル。旅客機の翼幅よりも近い、事実上のニアミスに相当する。

 さらに、大きさが航空機およそ15機分に達すると推定された光る物体の報告もあった。目視の推定は誤差が出やすくそのまま実寸とは受け取れないが、パイロットがそれだけの巨大さを感じ取り記録に残した事実は動かない。

 加えて、複数の色つきの球体が現れて機体が乱気流に見舞われたという報告と、正体の判明しないレーダー反応の記録も含まれている。

 いずれも報告書上の記述であり、正体が特定されたわけではない。それでも、空を飛び続けるプロの操縦士が公式の書式に記入して当局へ提出するだけの「何か」に遭遇したことになる。

「88%はスターリンク」——それでも消えない2割の未解決

 興味深いのは、公開を伝えたヴェルネ氏自身が、内容にかなり冷静な分析を加えている点だ。

 同氏によれば、報告のうち約88パーセントはスターリンク衛星群の観測と矛盾しない一方、22パーセントは本当に異常な事象に由来する可能性があるという(合計が100を超えるが、大まかな内訳とみるべきだろう)。

 スターリンクによる誤認は、ブラジルでは以前から指摘されてきた問題だ。数珠つなぎに並んで移動する光の列は夜間飛行中のパイロットには極めて紛らわしく、目撃報告の増加と衛星打ち上げの加速はほぼ同時期に進行している。

 つまり今回のファイルの大半は、地球上の技術で説明がつく可能性が高い。それでも残る2割前後は説明の枠に収まっておらず、「削っても削りきれない残余」が南米でもきっちりと残った形だ。

 そもそもブラジルは、UFO文書の公開において世界でも突出して継続的な国だ。軍の保有記録を国立公文書館へ移し市民に開放する仕組みが整って以降、開示は途切れていない。

 2025年5月には国立公文書館が900件近い目撃事案の文書を公開し、翌6月にはFABが2024年分の記録を開示。同年9月には下院でUFO公聴会が開かれ、2026年2月には元国防相のアルド・レベロ氏がさらなるファイル公開に前向きな姿勢を示したと伝えられた。開示が政治の話題になる状況は、日本の感覚からすると異例だろう。

 映像も写真もない18枚の書式。物証としては弱く、地球外起源を示すものでは当然ない。

 だが、パイロットが30メートル先に見た黒い三角形が何だったのか、公開された書類のどこにも答えは書かれていない。説明のつかない2割を毎年積み上げながら、それでも文書を開け続ける国は、いつかその答えにたどり着けるのだろうか——。

参考:Grenzwissenschaft-Aktuell、ほか

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2024.10.02 20:00心霊

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