謎に包まれた世界の古代遺跡! 7つのミステリーロマン!

【5】イカの石

謎に包まれた世界の古代遺跡! 7つのミステリーロマン!の画像5※イメージ画像:「ancient-origins」より

 1961年、ペルーの内科医、カブレラ博士は42歳の誕生日に友人から小さな箱に入ったプレゼントをもらった。その箱を開けてみると、複数の石が入っており、その中の一つに絶滅種とされる魚が彫られていたという。このことに感動した博士は、コレクションを開始し、76年にカブレラ教授は『イカの石に刻まれたメッセージ』という本を出版。その中では「地球上にかつて存在した高度に発達した文明が、石の表面にその発展の歴史を記し、何らかの世界規模のカタストロフィが起こる前に石を残して地球を去った」という仮説を示した。

 これらの石は500年~1500年前のものとされ、模様を見てみるとインカ文明にはよく見られた性描写、そして心臓手術や、脳みそ移植、また恐竜と人間が共存しているかのような模様などがクッキリと彫られていた。もし、この様な様子がインカ帝国で見られていたとしたら、今までの歴史の解釈を覆す大きな発見であったことは間違いない。

 博士の発表後、この石は世界中で話題になった。だが、お金になるのであれば、とマネして偽物を作って売るものが現れ、しまいには偽物の偽物までが現れるなど、場は混乱し始め、さらには彫られたイメージの真偽についても論争が起こる。また、恐竜と人間が共存していたことはないという定説を覆すような内容は嘲笑の対象となったが、共存説を信じるものからは証拠が見つかったという声も上がっていた。

 結局、偽物を作ったと白状した農夫が逮捕され、作り話であり、彫られたイメージもでたらめだという結論に達している。だが、当初カブレラ博士が集めていた「イカの石」の真偽については、確証が得られていない。


【6】ジョージア・ガイドストーン

謎に包まれた世界の古代遺跡! 7つのミステリーロマン!の画像6※画像:「mnn.com/」

 ジョージア・ガイドストーンは、アメリカのストーンヘッジと呼ばれる、謎に満ちた4つの巨大石から成るモニュメントである。だが、ストーンヘンジのように古代の遺跡というわけではなく、こちらは1979年に謎の男、R.C.クリスチャンから建設の依頼を請けた会社がジョージア州に建てたものである。

 このR.C.クリスチャンという男は身元をハッキリ明かさず、『ロイヤル・アメリカン』という団体のものだとするだけで、名前も本名ではなかったようである。その後、この石像の謎を聞き出すために探偵を雇うなど様々な方法で依頼主の消息を追ったが、見つかることはなかった。

 このガイドストーンには新世界秩序の10戒が8か国語 (英語、スペイン語、スワヒリ語、ヘブライ語、ヒンズー語、アラビア語、中国語、ロシア語)で刻まれている。そしてこの石の並び方も天体の動きと共鳴するように作られていると言われ、いかにも深い意味がありげな作りになっている。

 この10戒の内容は、現在の世界のあり方を変えようというものなのだが、一番インパクトが大きいのは現在60億人いる世界人口を調和のために5億人に削減しようというものだろう。このような内容が8か国語で記されているとなると、陰謀説の存在がちらつくようでもある。

 この謎めいた存在は人々の興味を引き付け、現在このガイドストーンは観光地化している。しかし、その一方で10戒に賛成しない人たちがしたと見られる反対を説く落書きが所々に書き込まれ、建設当初と景観が変わってきているところもある。
 
 依頼主不明、謎に包まれた石像は意味深な存在感を放ち、今日もアメリカの地に立っている。


【7】古代文明の死体処理場

謎に包まれた世界の古代遺跡! 7つのミステリーロマン!の画像7※イメージ画像:「livescience.com」より

 現在のボリビアに当たる地域では、1世紀頃にアンデス川を中心として文明が栄えていた。この文明にはあまり知られていない奇妙な風習があったことが、遺跡から判明した。

 2005年~2007年に掛けてチチカカ湖周辺で行われていた発掘調査によって存在が判明したこの遺跡は、当初は単純に住居跡だと考えられていた。そのため発掘調査に当たっていたアメリカ、フランクリン&マーシャル大学のスミス教授を始めとする調査チームは食器や調理器具などが見つかるだろうという見通しだったのだが、実際に掘り出されたのは、25人分はあるだろう細かい人骨だった。

 住居だと思われていたこの部屋では一体何が行われていたのだろう。この骨を詳しく調べていく過程で、部屋の目的がハッキリと見えてきた。

 これらの骨には化学物質がついており、それを温めて水と混ぜると、脂肪や体の組織を溶かす物質になるということが判明したのだ。つまり、古代ボリビアの人たちはこの部屋で人体を溶かしていたと考えられるのである。

 骨をさらに調べてみると、この遺跡で溶かされていたのは地元の人たちではなく、立ち寄った移動民族のものであるということもわかった。移動しながら生活する人々は、荷物を最小限に抑える必要があるが、亡くなってしまった近しい人を近くに感じるために、肉を溶かし、骨の状態で持ち歩いて一緒に旅を続けていたのであろう。

 今回見つかった遺跡によって、生と死の境があまりなく、人の姿は変わっても、関係性はそのまま続くという、古代の人々の死生観がよくわかる結果となった。

 以上、古代遺跡を7つ紹介したが、その中には古代にロマンを求めるあまり生まれた少しきな臭い謎もあれば、もう答えを知り得ることのない謎、そして調査により解決された謎など、様々なものがある。共通して言えるのは、過去は人々の好奇心と探究心を強く刺激するということだ。今私たちが住む現代もいつか古代となっていく。未来の世界に私たちはどのような謎を残し、どの様な刺激を与えるのだろうか。


参照:「news.bbc.co.uk」「bestourism.com」「ancientexplorers.com」「listverse.com」「YouTube」「archyfantasies.com」「vigilantcitizen.com」「history.com」など

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