「抱かれたいカンガルーNo.1」筋肉隆々の男前カンガルーが話題=オーストラリア
■悲しみを乗り越え最強のカンガルーに!!
バーンズさんは元々、未開拓の地などを案内するツアーガイドだったが、2005年に意を決してアリス・スプリングスにカンガルーの保護区域を設立した。2006年にバーンズさんがハイウェイ上でメスのカンガルーの亡骸を発見した際、ポケットに入っていたのがロジャーだったのである。母親が身を挺して守ったお陰でロジャーは生き延びたが、生後すぐに母を失った悲しみはいかばかりであっただろう。
バーンズさんが保護しているカンガルーのほとんどは母親を何らかの理由で失った赤ちゃんカンガルーであり、彼は現在までに200頭の子カンガルーの代理母となり守ってきたのだ。ロジャーのように幼くして母親を失った子カンガルーたちは心に傷を負っているが、バーンズさんの下ですくすくと成長していく。その中でもロジャーの存在感は大きく、バーンズさんも群れのリーダーであるロジャーを誇らしく思っているようだ。そんな屈強な男前、ロジャーにも意外な一面があるらしい。
4月のイースター(復活祭)の前にファンから贈られたウサギのぬいぐるみを抱きしめる姿に、ネット上では「抱かれたい!」というコメントが飛び交っており、何故か男性からも「俺はロジャーだったら迷わず抱かれるぞ」「俺も抱いてくれ!」という謎の熱いコメントが寄せられている。とても微笑ましいショットだが、バーンズさんによるとロジャーにこのぬいぐるみを見せた時、ロジャーは素早くぬいぐるみを奪い取り殴る、蹴る等の攻撃をしかけ、まるでキックボクシングの試合を見ているようだったと振り返っている。
保護区域で働くターニー・バーンズさんによれば「ロジャーはまだ成長過程で、これからさらに大きくなるでしょう。大きくなればなる程、多くのメスが寄ってくるのです」と言い、アカカンガルーのオスはロジャーと同等、またはそれよりも体が大きいのは珍しくないと付け加えた。そのスター性と群れをまとめて守る責任感を併せ持つ男らしいロジャーは、まさに最強のカンガルーと言っても過言ではないはずだ。また2013年にはカンガルー保護地区の様子を追ったドキュメンタリー番組『カンガルー・ダンディー』がイギリスで放送され、彼らの日々の暮らしが紹介された。
オーストラリアでは、住宅街に突如現れたカンガルーや、いきなり路上でキックボクシングを繰り広げるカンガルーたちの画像などが頻繁に撮影されてネット上で公開されているが、やはりロジャーの男前な姿にはかなわないと思うのは筆者だけであろうか。これからもその肉体美を武器に、世界中の人を魅了してほしいものである。
(文=清水ミロ)
参考:「Daily Mail」、「Huffington Post」ほか
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