後頭部から口と牙が生えたピューマ! おどろおどろしい姿に戦慄走る=米
江戸時代の奇談集『絵本百物語』に、下総国(現在の千葉県北部)に伝わる話として妖怪・二口女(ふたくちおんな)の怪談がある。故・水木しげる氏も漫画に描いたこの妖怪、その名の通り後頭部に大きな「もうひとつの口」を持ち、そこから食べ物を摂取する点が特徴だが、先妻の子を殺してしまった継母が亡霊に取り憑かれたものとされている。
そして今、そんな二口女ならぬ「二口のピューマ」が実際に出現し、アメリカ国民を恐怖のドン底に陥れているようだ。今月11日、米メディア「IDAHO STATE JOURNAL」などが報じたところによると、世にも恐ろしいピューマが発見されたのはアイダホ州南東部、ユタ州との州境付近だった。
先月30日、とあるハンター(匿名)によって合法的に射止められた雄のピューマだったが、その姿を確認してビックリ仰天。なんとピューマの後頭部に、牙やヒゲが生えそろった「もうひとつの口」がついていたという。そのおどろおどろしい姿を写真に納めたハンターは、すぐに州の魚類鳥獣当局に連絡。生物学者たちが調査に乗り出したが、誰もが困惑するばかりのようだ。
「このような例は前代未聞です。本当に悩ましい。異様な状態、異様な写真としか……」(生物学者のザック・ロッキアー氏)
このピューマの症状について学者たちは、胎児期に一方がもう一方を吸収してしまう「結合双生児」だった、もしくは本来胚細胞になるべき細胞がしっかりと分化せず、ほかの胎児の体の一部となってしまう「奇形腫(テラトーマ)」だったのではないかと考えているようだが、現在も結論は出ていない。なお、このような症状は極めて稀だが人間にも発生することがわかっている。
もしも「二口のピューマ」と同様の症状が人間にも現れるならば、日本の妖怪「二口女」は、この先天性疾患を抱えていた女性の話だった可能性もあるだろう。トカナでは、目を背けたくなるような奇形や奇病の話題を数多くお届けしているが、それらについて知り、考えることは、時に私たちの文化について考察する行為でもあるのだ。
(編集部)
参考:「IDAHO STATE JOURNAL」、ほか
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