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体重328kgから115kg減量！性的虐待で太り続けた壮絶な過去とは？＝アメリカ

2016.03.22 12:00

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　昨年、アメリカ国内の成人の3分の1以上（34.9%、約7860万人）が肥満であるとアメリカ疾病予防管理センター（CDC）が発表した。世界でも類を見ない程の速度で増えてゆく肥満人口が社会問題となっているアメリカだが、そんな深刻な問題を2月17日付の「Daily Mail」が詳しく報じている。

■体が重くて立っていられない!! 身の回りの世話をするのは？

体重328kgから115kg減量！性的虐待で太り続けた壮絶な過去とは？＝アメリカの画像1

725ポンドあった頃のアシュリーさん。座っていても苦しそうだ　画像は「TLC」より

　アメリカでドキュメンタリーやリアリティー番組などを手がけているテレビ局「TLC」が放送している『私の600ポンドライフ（My 600lb Life）』（600ポンドは約272kg）に登場したのは、アメリカ・テキサス州に住む、アシュリー・ブラッチャーさん（27歳）だ。アシュリーさんの体重は約328kg、病的肥満と診断されており、それは「食べ物への依存」が原因だという。

　328kgの巨体のため、自力で立っていられるのはわずか5分間。そしてシャワーを浴びる以外の家事は何と5歳の一人息子であるパトリック君がこなしているのだ。

　アシュリーさんは「シャワーを浴びる際にバスタブの底が重みで抜けて、そのまま床下まで落ちてしまうのではと恐れています。現在は自分で体を洗えますが、状況は悪くなるばかりで、このままではすぐに身動きできなくなるでしょう。そうなれば私の世話を誰かに頼らなくてはならなくなるのです。そんな恥ずかしい思いはしたくありません」と言う。

　さらにアシュリーさんは「体が痛くない日など1日たりともありません。ベッドから浴室まで、たった6m歩くだけで、全身が酷い痛みに襲われるのです。この体のせいで動き回ることができません。他の人たちが何気なくできることが、私にはとても大変なことなのです」と涙ながらに説明する。

■食べ物への依存の原因となった悲しい過去とは!?

　アシュリーさんの体重が増えはじめたのは6歳の頃にさかのぼる。両親は彼女が幼い頃に離婚しておりアシュリーさんと弟、妹は母親に引き取られた。彼女が8歳になった時、離れて暮らしていた実父が子どもたちの親権を勝ち取り共に暮らすようになり、環境が変わったにもかかわらず、アシュリーさんの体重は増え続けた。12歳になる頃には113kgを超え、18歳を迎えた時には180kgを超えていた。

　ちなみにアメリカの12歳女児の平均体重は約41kg。18歳女性は身長にもよるが、約56kgと言われていることからアシュリーさんの状態がどれだけ深刻だったかがうかがえる。

　では何がアシュリーさんを食べ物に依存させたのか。それは薬物中毒で子供の面倒を全く見なかった母親の代わりにアシュリーさんの弟と妹の世話をしていたベビーシッターの夫が、アシュリーさんに性的虐待を行ったのが原因であり、彼女は「私さえ我慢すれば弟と妹が同じ目に遭わずに済む」と虐待に耐えていたと言う。「その頃の私には食べ物だけが慰めでした。もしも母が少しでも注意を払ってくれていたら、あの頃に起こっていたことは大きく変えられたでしょうね」とアシュリーさんは呟いた。

■愛する息子のため、辛い過去を克服するために減量を決意!!

　アシュリーさんはこれまでに複数の医師のもとを訪ねたが、すべての医師に治療を断られたと言う。アシュリーさんが藁にもすがる思いでたどり着いたのは、胃を上部と下部に分け、小腸のルートを変更し消化吸収を防ぐ効果が期待できる「胃バイパス手術」の権威であるヨーナン・ナウザラダン医師だった。アシュリーさんは自分の体重が328kgだと知り、膝まで垂れ下がる腹部の脂肪のせいでいつか致命傷を負うのではないかという恐怖と常に闘っていると医師に訴えた。ナウザラダン医師はアシュリーさんと家族の食生活を「不健康な食生活」と断定し、このまま食生活を見直さなければアシュリーさんは30歳まで生きられないと警告した。

　アシュリーさんは息子のために手術を決意。しかし胃バイパス手術は希望すれば誰でも受けられるというものではない。あらゆる危険を回避するため、患者は定められた体重まで減量する必要があるのだ。アシュリーさんの決意は固く、努力の甲斐あって1カ月で22kgの減量に成功し、無事に手術を受けた。