即身仏(ミイラ仏)が金箔でコーティングされギラギラの「ゴールデン・ミイラ」に!=中国
日本で最も有名な即身仏といえば、山形県・真言宗豊山派の寺院「大日坊」に奉られている真如海上人であろう。厳しい難行苦行を経た後、自ら生き埋めになりミイラとなる日まで祈り続け、3年3カ月後に掘り起こされたミイラである。現在、彼が纏っている御衣はお守りの中に入れられ販売されているが、その御守り効果は絶大と、もっぱらの噂だ。
さて、4月30日に英タブロイド紙「Mirror」が伝えたところによると、中国の泉州市にある崇福寺において、ある壮大なミイラの儀式が執り行われたという。
ミイラになったのは、この崇福寺で生涯の大半を過ごしたという高僧・Fu Hou氏だ。彼は17歳の時に仏門に入り、修行を積み、周りの僧侶からも尊敬されるような人物へと成長したそうだ。そして2012年、94歳で他界。遺体は、大きな陶器の壷に座禅を組んだ姿で埋葬された。
それから3年半、Fu氏は聖なる美しいミイラとなって、陶器から出されることになった。
そして、これまで積んだ徳と功績が称えられたFu氏のミイラはアルコールで洗浄されたのち、漆塗りされ、最後に金箔でコーティングされたのである。これにてなんとも美しいゴールデン・ミイラが誕生したわけだが、それにしても、『スター・ウォーズ』で活躍できそうなお姿だ(フォースも強そう)。
■基本的な仏像の色はゴールド?
仏陀が金色に輝いていたといわれていることから、金色の仏像は日本でもよく見かけるが、金色のミイラはほとんど見かけないだろう。だが中国では一部の信仰心の強い仏教地域において昔から行われてきたことであり、これには、見た目を煌びやかにするだけでなく、生前に近い形を美しく保つという効果があるそうだ。
ちなみに、2015年には、中国の金の仏像の内部に、1100年前の「即身仏」とみられる遺体が入っていたことが発覚し、話題になった。調査によると、200年間即身仏として奉られたのち、仏像に作り変えられた可能性があるとみられているという。
以前トカナではモンゴルの即身仏を紹介したが、「美しい即身仏」といっても、やや厳しい表情をしたミイラから、穏やかな表情のものまでその見た目は千差万別で、それぞれの姿から受ける感動もまた色々だ。奥が深い即身仏の世界をもっと知りたくなった読者も多いのではないだろうか?
参考「Mirror」など
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