NPO法人が“児童ポルノ”疑惑作品を徹底調査！大島優子や峯岸みなみのＤＶＤも“児ポ”にひっかかって消える？

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画像は、『かがやくきもち　大島優子写真集』（ぶんか社）

　つまり医師の見た目の判断は正確ではないということだ。このことはツイッターでも話題となっている。

　ちなみに、医師の判断が正確性を欠いていることで採用しなかった裁判がある。

　18歳未満の少女のヌードを参考に写実的に描いたコンピューターグラフィックが「児童ポルノ」だとされた裁判があった。いわゆるCG児童ポルノ裁判だ。検察側は、描いたものが「児童ポルノ」であることを立証するため、身体的な特徴から性発達の評価する「タナー法」を使った。乳房と恥毛発育段階で分類するものだ。しかし、東京地裁の裁判長は、認定方法について否定的な見解を示し、採用しなかった。今回もその判断が危ういことが示された。

　会見で同法人では「有罪判決を受けていないので、児童ポルノとは断定はされない」としていたが、「医師に照会した8作品のうち、5作品の中の7人が児童の疑いがある」と説明していた。私は、CG児童ポルノ裁判で、タナー法が採用されなかったことについて質問したが、「個別の裁判についてはコメントはしない」としながらも、「医師の判断に委ねるのは難しい」との回答だった。また、他の記者の質問でも「児童ポルノの疑いは強いが、合理的な疑いがあるとまではない」と答えていた。

　これに対して、「6年生　本物のロリータビデオ　裏」の発売元ファーストスターは9月7日、「弊社取り扱い作品がご指摘を受けた件について」を自社サイト上に掲載。その中で、「私たちが制作している作品に於きましては、『18歳未満の未成年者及び生徒・児童の出演』という作品は、一切御座いません。製造、販売もしておりません」とした。

　この作品について報告書では、「児童の性行為を映したものであること、実際に出演者が18歳未満に見えることなどから、児童ポルノであることが強く懸念される。かつ実際の性交渉、または擬似性交渉をしているものであることから、児童ポルノであれば最も悪質というべきである」と指摘した4作品の中に入っていた。 　

　一方、報告書で指摘されている「DMM.com」は「弊社取り扱い商品の倫理基準に対する取り組みのご報告」を自社サイトに掲載。それによると、「昨今の業界全体の流れを受け、イメージビデオ取扱い基準の見直しをし、18歳未満が出演する商品は、たとえ性的な描写がない場合でも取扱いの停止を独自に進めている最中でした」として、同日、アイドルやタレントでもイメージビデオでも「18歳未満が出演する作品の取り扱いを全て停止いたしました」と発表した。

　例えば、AKB48の峯岸みなみが15歳ごろに撮影した写真集「South」（ワニブックス、2008年）は取り扱われているが、「South DVD 」（同社） は販売しないということになる。（執筆時点（９月１２日現在）では、アマゾンでは両者とも売られているが、検索されない）

　また、元AKBの大島優子の、15歳当時に発売された写真集「かがやくきもち」（ぶんか社、2003年）や同時期に発売されたDVD「大島優子:Adolescence 」（笠倉出版社、2003年）もDMM.comでは検索されなくなった。執筆時点（9月12日）では、アマゾンでは両者とも中古作品ながら売られている。

　さて、「児童ポルノ」問題は複雑だ。18歳未満かどうかが国内法の基準だ。実際には18歳以上だが、「18歳未満に見えるポルノ」、「18歳未満とうたっているだけのポルノ」は、「児童ポルノ」ではなくなる。

　また、事実上は、性虐待のプロセスの中で撮影されたものでも、映像それ自体が「児童ポルノ」ではない場合もある。高松高裁の判決では、「被告人が撮影し、記録した画像は、6歳の児童に対するものであり、一般人を基準とすれば、性欲を興奮させ又は刺激するものではない」として、6歳の女児の顔に精液がかかている写真は「児童ポルノ」に認定されなかった。

　この点についても、会見で質問したが、「一般人基準は再考すべき」旨にとどまった。撮影過程では虐待が行なわれている。ならば、その結果の写真も規制されるべきだが、国内法の枠組みではそうなっていない。国際刑事警察機構（インターポール）では、撮影過程で性的虐待があれば「児童性虐待製造物」として規制対象にすべきとしている。報告書では様々な勧告がなされているが、この観点がない。何が規制されるべき作品なのか。過剰な自主規制もされる懸念があり、十分な議論が必要ではないか。
（文＝渋井哲也／ジャーナリスト）

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