時間を飛び越える新物質「時間結晶」8つのミステリー！ パラレルワールドとも関係か？ 量子物理学者が徹底回答！

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画像は「Digital Trends」より引用

■時間結晶は量子論にも関係している

8――「時間結晶」の研究は実際、何に役立つのでしょうか？　量子テレポーテーションとか、量子コンピューター、ほかにも意外な開発の可能性があれば教えてください。

X氏　量子コンピューター以外の応用先として、外からの影響に対する応答の早さを利用して、新しいセンサーとして使うことができるのではないかと考え、議論を始めている研究室もあるといいます。ちなみに、なぜ今回の物質が量子コンピューターに利用できるかといえば、量子コンピューターに必要な（エネルギーの）重ね合わせ状態は、時間対称性の破れた状態で、安定的に存在できなかったからです。今回の時間結晶の発見によって、時間対称性を破りつつ安定的に重ね合わせ状態を準備できることがわかり、これは量子メモリと呼ばれる量子コンピューターの部品として有望と考えられています。

　いかがだっただろうか？　「時間結晶」の理解が少しでも深まったら幸いである。これで「時間結晶」の基礎編は終了するが、次回はシュレディンガーの猫や多世界解釈を絡めた“応用編”をお伝えしたい。「時間結晶」から見える驚きの宇宙像が明らかになる。

・「時間結晶」からパラレルワールドまで徹底解説シリーズ3回まとめ読みはコチラ

TOCANA編集部

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