【写真展】ブローニュの森の娼婦、少数民族ロマ、ピカピカの都市…フランスの違和感を捉えた石川竜一最新作『OUTREMER/群青』が強烈すぎる!

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『OUTREMER/群青』


■雑誌じゃわからない「むき身のフランス」を目の当たりに

―― ロマ(ジプシーと呼ばれてきた集団のうちの主に北インドのロマニ系に由来し中東欧に居住する移動型民族)やブローニュの森の娼婦、郊外の移民街に住む人々や風景を撮っていますね。4か月の撮影期間とはいえ、言葉も文化も全く違う場所でかなり深くまで入り込んだ印象を受けました。どうしてそこまで行けたんでしょう?

石川 案内と通訳をしてくれる人がいたんです。あらかじめお願いしていたのじゃなくて現地で僕のことを気に入って手伝ってくれた。彼女が知っている所に連れて行ってくれたんですけれど、どこもなんというかいい感じだった。そこからしがみ付いていく感じでしたね。事情があってロマと共同生活をしている子で、ロマを撮ることになったのはそのおかげです。いろんな意味でタイミングがよかったですよね。それがあったから動けたし写真を撮れたというのはあります。

―― 1人でも撮っていたでしょう?

石川 もちろん1人で歩くこともありましたよ。自己紹介程度のフランス語を覚えて撮りたい人に声をかけられるようにもなった。でも、撮る理由を言葉で求められると説明できなくて撮らせてもらえない。それで萎縮する。その葛藤はずっとありました。

―― ロマがいる地域ってどんな場所なんでしょう?

石川 都市の郊外。移民の人たちとかがたくさん住んでいるパリの郊外はヤバいですね。

―― 娼婦の写真にインパクトを感じたんですけれど、ブローニュの森はどうなんででしょう? どうやってアプローチしたんですか?

石川 現地の別の協力者に連れてってもらいました。そこにロマの人が付いてきてくれて交渉を手伝ってくれた。それで、お仕事1回ぶんの代金を払って撮らせてもらいました。『代金を払うのでその時間ぶん撮らせてください』って。治安はそんなに悪くないですよ。

―― 料金はいくらで?

石川 20ユーロくらいですね。

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