ギャグ漫画の鬼才・谷岡ヤスジの“幻の劇場版アニメ”のフィルムが発見される! 日テレ版『ドラえもん』との関係も発覚!

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――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!

yasujiporuno_005.jpg辺見マリの流行歌にのった長いオープニングが印象的。頻繁に登場する局部や挿入シーンには、手隠し演出が入る。(ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス提供)

『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』
1971年公開・日本ヘラルド
製作・東京テレビ動画
監督・三輪孝輝、高桑慎一郎
脚本・吉田喜昭
原作・谷岡ヤスジ
声・鈴木やすし、鈴木弘子、雨森雅司など

 1970年代初頭、ギャグ漫画の鬼才・谷岡ヤスジ(42~99年)が描いたナンセンス漫画が、多くの流行語を生んだ。「鼻血ブー」、「オラオラオラオラオラ」、「オドリャ~! しまいには血見るド!」。頭に日の丸国旗を立てたムジ鳥が朝になると「アサー」と叫ぶ。同時代に活躍していた赤塚不二夫や藤子不二雄と違って、彼の作品はテレビアニメ化されることはなかった。また、幻の劇場版アニメのフィルムが発見され、封印されている日本テレビ版『ドラえもん』との意外な関係も発覚し、マニアの間で話題になっている。

 谷岡ヤスジは、「週刊少年マガジン」(講談社)で1970年から連載を開始した『ヤスジのメッタメタガキ道講座』でブレイクした。主人公の小学生ガキ夫が、人を殴るは蹴るは刃物も振り回し、親や大人に向かって「クソッタレー!」、さらには喫煙と、現在なら完全に連載不可能な過激さだ。この作品を日活が実写映画化し(監督・江崎実生、71年3月20日公開)、三波伸介、樹木希林(当時、悠木千帆)、カルーセル麻紀などが出演、なんと宍戸錠がムジ鳥に扮した。そして同年9月24日に公開されたのが『ヤスジのポルノラマ やっちまえ‼』(以下『やっちまえ‼』)で、キャッチコピーは「サーモンピンクのふくらみにドバーッと鼻血をぶっかけて どぎつく割り込め! やっちまえ!」だった。

 制作会社は、梶原一騎原作『夕焼け番長』『赤き血のイレブン』、本宮ひろし原作『男一匹ガキ大将』、水島新司原作『男どアホウ! 甲子園』といった名作漫画をアニメ化していた東京テレビ動画。手塚治虫の虫プロが日本初の大人向け劇場アニメ「アニメラマ(アニメーション+ドラマ+シネラマ+パノラマ)」と称して製作した『千夜一夜物語』(69年)が大ヒットしたことに着目した東京テレビ動画は、「それならウチはポルノラマだ!」と『やっちまえ‼』の製作に社運を賭けた。

 ヤスジキャラがアニメで動く……イメージが湧かないのは筆者だけではないだろうが、本作品は今年2月6日と3月3日に、東京国立近代美術館フィルムセンターにて企画された「発掘された映画たち2018」で上映された。そこで観た奇跡の映像に筆者は酔った。いや、マジでビール片手に鑑賞したかった。

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