「霊感がある人なら泡を吹いて倒れる」日本全国の“曰くつき”ばかり追い求めた前代未聞の奇書『奉納百景』著者・小嶋独観インタビュー!
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『奉納百景』(駒草出版)著者・小嶋独観氏の直撃インタビュー後編。庶民たちは、いつの時代も仏教や神道をリミックスして、神に何かを祈り、いろいろなものを奉納してきた。寺や神社に奉納される「呪物」だけを集めた本書の著者が明かした“世にも恐ろしい場所”とは……!?
※ 日本の知られざる奇景が大集合した前編はコチラ!
■とにかく怖いのは「人の念」
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――本書に羽田のお稲荷様を移設させようとして飛行機事故が起こったという祟(たた)りの話がありました。他にも同じようなケースをご存じですか?
小嶋独観氏(以下、小嶋) 祟りが怖いという感覚は、どの信仰でも、奉納の原動力になっていると思います。他には、亡くなった人や水子、平将門の首塚などにまつわる祟りについて耳にしましたね。
――小嶋さん自身が祟られたことは?
小嶋 私にはまったく霊感がないんですよ。だから祟られたと感じたことは全然ありません。それでも、本書で紹介した場所の中で“危ない雰囲気”を感じるところはありました。イチバンは、青森県五所川原市の川倉賽の河原地蔵尊ですね。一歩足を踏み入れると、倉庫のようなところに花嫁人形がずらりと並んでいます。早くに亡くした子どもを供養するために、親が人形で架空の結婚式を奉納しているんです。ガラスケースに入った人形の写真を撮っていると、背中に人の気配がしてゾワゾワきました。怖いというか、とにかく重くて、念が強い。ここに一人ではいられないと感じるほどの空気でした。
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念という意味では、私が奉納物を撮り溜めるキッカケとなった山形県村山地方のムサカリ絵馬にも気持ちが動かされました。ムサカリとはこの地方で婚礼のことで、若くして未婚で亡くなった者のために架空の結婚式の絵を描き、奉納するんです。この写真(157ページ)は不気味さが際立っていました。子どもの顔がすげ替えられた合成写真……。キツイ気持ちになりました。
あと怖いと言えば、福岡県の野芥縁切り神社。ここに写っている封筒は、宛名の筆跡が全部同じ。そう、ほとんど一人が書いたものなんです。相当本気で縁を切りたい人がいるんでしょうね。
――それは本当に恐ろしい……。
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2024.10.02 20:00心霊「霊感がある人なら泡を吹いて倒れる」日本全国の“曰くつき”ばかり追い求めた前代未聞の奇書『奉納百景』著者・小嶋独観インタビュー!のページです。恋愛、絵馬、寺、神社、ペニス、病気、生贄、松本祐貴、奉納、小嶋独観、慰霊碑などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで