「時間を巻き戻す」ことに量子コンピューターが成功! 4段階の実験とは…タイムマシン実現へ!  

 巨視的に見れば時間の不可逆性は絶対のように見える。しかし量子レベルではどうなっているのだろうか? そこでモスクワ物理工科大学の研究者らは、IBMが開発した初歩的な量子コンピュータを使い、2つの量子ビット(Qビット)が自ずと初期状態に戻るか確かめた。

 量子ビットとは古典コンピュータのビットに相当する。ビットとは0と1の組み合わせで表現される方法だ。たとえば1ビットは0と1のどちらかの値を取り、4ビットでは0000~1111までの16通りの状態(0100、1100など)のうち1つだけを表現することができる。

 それに対して量子ビットは0と1の他に“重ね合わせ”という1でもあり0でもある状態を表現することができる。たとえば4量子ビットでは、0000~1111までの16通りを同時に計算することができるため、1つの状態しか表現できない従来のビットとは比較できないほどの高速演算が可能となる。

 実験は以下4つの段階で行われた。

「時間を巻き戻す」ことに量子コンピューターが成功! 4段階の実験とは…タイムマシン実現へ!  の画像3
画像は「Phys.org」より引用

ステージ1:秩序。2つの量子ビットの初期値がゼロに設定される。ビリヤードにたとえると、ブレイクショット前のボールが秩序だった三角形を形成している状態。

ステージ2:劣化(時間経過)。秩序が失われる。“変化プログラム”により、量子ビットに時間的な経過(変化)を加えることで、量子ビットの状態は複雑化し、秩序が失われる。ビリヤードにたとえると、ブレイクショットにより秩序だった三角形のボールがビリヤード台に散らばっていく状態。

ステージ3:時間逆転。特殊なプログラムを用いることで、秩序を失った量子ビットを過去に向かって秩序ある状態に回帰するよう促す。ビリヤードにたとえると、ボールが元に戻るよう完璧に計算された“キック”をビリヤード台にかました状態。

ステージ4:再生。変化プログラムを再び起動し、時間経過を再び引き起こす。ステージ3の“キック”により、過去に向かって時間が再生され、2つの量子ビットはそれぞれゼロを示す初期状態に戻る。ビリヤードにたとえると、逆再生によりビリヤードボールがブレイクショット以前の秩序に戻った状態。

「時間を巻き戻す」ことに量子コンピューターが成功! 4段階の実験とは…タイムマシン実現へ!  のページです。などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで

トカナ TOCANA公式チャンネル