「時間を巻き戻す」ことに量子コンピューターが成功! 4段階の実験とは…タイムマシン実現へ!
以上の操作により、なんと85%もの確率で2つの量子ビットが初期状態(0、0)戻ることが分かったという。2つのビットが示す値は全部で4通り。無作為に1つの状態が決まるとしたら、(0、0)が出る確率は25%である。偶然に頼るだけでは85%という確率は出てこないのだ。
続いて3つの量子ビットでも同様の実験を行ったが、その結果は50%にとどまったという。2つの量子ビットに比べて成功率がガクンと下がったが、これは実験機材の精度の問題だと研究者らは考えている。とはいえ、3つのビットが示す値は全部で8通りであるから、無作為に(0、0、0)が出る確率は8分の1、12.5%だ。たとえ50%でも偶然と考えるには高すぎる確率である。
以上の結果からレソビク氏は、「熱力学的な時間の矢の反対方向に向かう状態を人工的につくりだした」と考えているという。量子レベルでは熱力学第二法則は絶対ではないのだ。
量子の世界は我々の直観に反する出来事だらけだ。今回の実験からすぐにタイムマシーンができるというわけではないが、熱力学の第二法則の絶対性を揺るがしただけでも大きな成果と言えるだろう。今後の研究に期待したい。
参考:「Phys,org」、ほか
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