シベリアで出土した2千年前のミイラ「眠れる美女」がお洒落すぎると話題! 世界各地の宝飾品とハイセンスな服… 謎の正体とは!?

■“皮革デザイナー”の女性聖職者なのか

 研究者たちは、この“眠れる美女”はその豪華な宝飾品の数々から女性聖職者(巫女)ではないかと考えているという。

 また別の研究では、彼女が縫製に使う作業道具らしきものが入った小袋を携えていたことから、この女性は古代の“皮革デザイナー”だった可能性を示唆している。あるいは女性聖職者のスキルの1つに革製品の縫製があったのかもしれない。

シベリアで出土した2千年前のミイラ「眠れる美女」がお洒落すぎると話題! 世界各地の宝飾品とハイセンスな服… 謎の正体とは!?の画像4
「The Siberian Times」の記事より

 ここからそれほど遠くない場所で見つかった墓では、革袋に入った木製の紡錘を携えていたフン族の編み物職人のミイラが見つかっているという。

 キルノフスカヤ博士は革製品を作る能力はフン族の社会で特別な役割を果たす“聖職”であった可能性を指摘している。そしてその役割は女性が担っていたというのだ。

「フン族の社会は女性を大事にしていました。家母長制社会ではありませんでしたが、縫製スキルを持った女性と母親はとても尊敬されていました」(マリーナ・キルノフスカヤ博士)

 科学者たちはまた“眠れる美女”の豪華なベルトにも関心を寄せている。

「遊牧民にとってベルトは富と社会的地位を示すものとして特別に重要なアイテムです。彼らの服にはポケットがなかったので、日常生活で必要なものすべてをベルトに掛けなければなりませんでした。フン族の場合、女性のベルトは精巧に装飾されていました」(マリーナ・キルノフスカヤ博士)

 付近一帯で発掘された女性用ベルトのバックルの中には龍と虎が闘っているシーンが描かれたものもあるという。また青銅製の美しい雄牛、馬、ラクダ、ヘビなどの像も発見されている。また漢王朝時代(BC206-AD220)の中国製の鏡やコインなども見つかっている。

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「The Siberian Times」の記事より

 “眠れる美女”をはじめ数々の貴重な遺物が発見された昨年の発掘調査だったのだが、つい先日に終了したと思われる今年の調査についてはまだ何の報告もないようだ。ひょっとすると昨年以上のサプライズが待っているのかもしれない。


参考:「The Siberian Times」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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