なぜ米国は史上最悪カルト殺人鬼、チャールズ・マンソンに今も怯えているのか? ディカプリオとブラピも発狂した新作映画2本の新考察がヤバすぎる!

・ 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、『パルプ・フィクション』(1994)や『キル・ビル』シリーズで日本でも高い人気を誇るクエンティン・タランティーノ監督の最新作。ブッ飛んだプロットや暴力描写に定評ある同監督とタッグを組んだ主演は、なんと現在のハリウッドを代表する大スター、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという超大作だ。これはもうレオ&ブラピの初共演だけでも十分に楽しめるが、もちろん重要ポイントはシャロン・テート殺人事件をモチーフに取り入れたストーリー展開の面白さだ。

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 ある日、落ちぶれたハリウッド俳優(レオナルド・ディカプリオ)の隣に夫婦が引っ越して来るのだが、彼らこそポランスキー監督とシャロン・テート(マーゴット・ロビー)だった。やがて、たしかに悲劇は起きてしまうのだが、そこから映画は怒涛の展開を見せる。想像を軽々と超える圧巻のラスト13分はもちろん、サスペンス要素、人物描写など、超一級のエンタメとしてあらゆる要素が“冴えて”いる。

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 実際の事件をベースとしながら、実在しなかった人物を主軸に展開するストーリーは、一種のメルヘンと捉えることができるかもしれないが、それだけではない。本作からリアルに滲み出てくるのは、何よりも1960年代の全盛期ハリウッドを満たしていた“ワンダーランド”的な空気と当時のカルチャーの華やかさ、そんな中に現れたチャールズ・マンソンという男が起こしたシャロン・テート殺人事件の強烈すぎるインパクトなのだ。

 この事件によって何が変わったのか、製作のベースに時代や歴史観を総括する哲学的な問いかけがあってこそ、チャールズ・マンソンという存在の実態を炙り出すことができるはず。今作はそれを見事に成し遂げている。やっぱりタランティーノは凄い!


『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2019年8月30日(金)より全国ロードショー!

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

公式サイト http://www.onceinhollywood.jp/
公式Twitter https://twitter.com/SPEeiga
公式Facebook https://www.facebook.com/SPEeiga/

 

・ 『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』

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© 2018 SQUEAKY FILMS, LLC

 一方の『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』は、より史実に則したドキュメンタリー調の仕上がりだ。それもそのはず、シャロン・テート殺人事件の実行犯レスリー・ヴァン・ホーテンの獄中生活を知る犯罪学者の記録を取り入れながら、マンソンに“洗脳された側”の新たな視点を提示しているのだ。実行犯3人の心が少しずつ思考停止し、狂信へと至り、やがて猟奇的な殺人事件を起こす――その変容過程が極めてリアルに、そして重々しく迫る。一見すると和やかで平和のうちに過ぎるマンソン・ファミリーの日々だが、えも言われぬ異様な空気と張り詰めた緊張感、そして狂気が漂っていた。

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 マンソンの人物像については語り尽くされた感もあるが、本作が投げかけるのは、マンソンが決して異世界の人物などではなく、実は私たちの身近にも潜んでいるかもしれないということ。そして、気づかぬうちにカルト集団にのめり込み、いつの間にか取り返しのつかない場所に足を踏み入れてしまう可能性。そう、誰もがシャロン・テート殺人事件のような狂気を起こし得るという恐怖に直面する作品なのだ。同じ事件を扱いながらも派手な殺人描写や想像を裏切る展開がない点において『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の対極にある作品と言えそうだが、そこにはリアルな“鬱”がある。

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 監督は『アメリカン・サイコ』(2000年)のメアリー・ハロン。実行犯3人には、『ゲーム・オブ・スローンズ』のハンナ・マリー、ケヴィン・ベーコンの娘ソシー・ベーコン、ミュージシャンとして活躍するマリアンヌ・レンドンが扮する。マンソン役は、12月公開の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の出演も決まったマット・スミスが演じるなど、気鋭のキャストが勢揃いだ。


『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』

2018年|アメリカ映画|110分|提供・配給:キングレコード

★詳細はコチラから★
http://qualite.musashino-k.jp/quali-colle2019/
http://kingmovies.jp/news/2019/07/12/17002

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