「性同一性障害職員の女子トイレ使用制限は違法」判決の理由が実は差別的だった!?
「性同一性障害職員の女子トイレ使用制限は違法」判決の理由が実は差別的だった!? 東大教授がLGBT裁判と報道の欠陥に物申す!
当事者もこの区別については必ずしもわかっておらず、いわゆる精神的感染(トレンドに影響された思い込み)により、自分が性同一性障害だと錯覚するケースが増えていて、度々問題となっているのは周知の通り[4]。身体違和がないにもかかわらず、性同一性障害の診断をもらって手術を受け、後悔する人、自殺する人も少なくありません[5]。「診断と治療のガイドライン」に従うことなく「一日で診断書を発行」してくれるジェンダークリニックや病院はたくさんありますから[6]。
本件原告は「皮膚疾患のため性別適合手術を受けられなかった」とのこと。受けたいのに受けられない、という意味でしょう。しかし他方では、「ホルモン治療や女性の容姿に近づけるための手術を重ね」てきた、とも報じられました。どうも不明瞭ですね。というのも――
13日の『朝日新聞』によると、判決はこう述べました。「経済産業省の要求に従えば……意思に反する性別適合手術を強いることになる」。意思に反する? 原告は本来、手術を希望しているのか、いないのか。つまり、身体違和があるのかないのか。記者会見までやったからには、報道内容があやふやでは困ります。
原告がガイドラインに沿った診断を受けた性同一性障害者であるなら、「意思に反する性別適合手術」という言い方は事実誤認でしょう。しかもその表現は、原告個人だけでなく、性同一性障害そのものへの偏見を助長しかねません。同記事はこう説明しています。「性同一性障害特例法では……性別適合手術が必要になる。心身の負担が大きいため、社会的に性別を変えていても、戸籍上の性別を変えられない当事者が多い」。
この説明だと、「戸籍上の性を変えたいから仕方なく手術を受ける人たち」という誤解を招くでしょう。性同一性障害者は、体の性別に違和感を抱いているので、因果関係が逆。「主観的に手術を必要とする人々には、生活上の便宜を図って、体に合った性別を認めましょう」、これが性同一性障害特例法です。生殖器に違和感を覚えない人に「手術せよ」と命じてなどおらず、「あなたたちは後悔するから性別変えちゃダメ」と諭しているだけです。
「断種を求められるトランスジェンダー」「不妊手術強制は人権侵害」といった特例法批判がさかんですが[7]、手術を受けた人々が人権を侵されているかのようなイメージ拡散は、性同一性障害者たちへの侮辱となりかねません。
[4] https://tocana.jp/2019/11/post_127095_entry.html
[5] https://www.hachi8.me/after-sex-change-surgery-suicide/
[6] https://exworl.com/gidmedi/https://www.youtube.com/watch?v=G9pad-V1av8
[7] https://www.hrw.org/ja/news/2019/03/19/328290
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊「性同一性障害職員の女子トイレ使用制限は違法」判決の理由が実は差別的だった!? 東大教授がLGBT裁判と報道の欠陥に物申す!のページです。トイレ、トランスジェンダー、性同一性障害、経済産業省などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで