通俗的「LGBT支援」の論理破綻を元女子大教授が指摘! 支援のつもりが「性差別を強化」…日本の知的レベルがやばい!

ハイパースカトロジスト(超糞便学者)としても知られる稀代の哲学者・三浦俊彦(東京大学教授)が、世の中の“ウンコな正論”を哲学的直観で分析する【超スカトロジスト時評】――

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三浦俊彦教授

 通俗的なLGBT支援には、無批判で受け入れるべき信仰箇条がいくつかあるようです。その中核は「自認する性が当人の性別である」。この中核条項が当事者を本当に幸せにするのかどうか真面目に論じようとすると、なぜか「差別主義者」と罵られ叩かれる。そんな短絡的としか思えない風習がいつのまにか定着し、社会全般の知的水準を下げているのは困ったことです。

 人を性自認の通りの性別として認める態度が自由主義的。性自認に疑問を抱く態度は保守的、差別主義的。いつしかそう思い込まされている人が多いのでは? 実はこれ、少し考えただけで、真逆だということがわかります。二つの事例をもとに確認しましょう。

 ひとつは、「女子大学の先進的取り組み」です。お茶の水女子大学、奈良女子大学に続いて、宮城学院女子大学がトランス女性の受け入れを発表しました。私立大学としては日本初の試みです。3校目ともなると、さほど話題にならなかった印象があるので、学長の談話に改めて注目しましょう(『週刊新潮』2019年10月3日号p.50)。

 「我々は女性として生きたい学生の受け入れを表明したわけです。仮に入学後に“なりすまし”が発覚すれば、大学の秩序を乱したとして退学処分にします」

 「女性として生きたい」「なりすまし」……自然にみえる言葉ですが、はて……?

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画像は「getty images」より

 宮城学院女子大学は、「強制的なカミングアウトを避けるため、出願時に診断書の提出や入学後の自己申告は求めない方針」を発表していました。つまり無審査。なのに「なりすまし」を問題視するとはどういうことでしょう。入学時は無審査でも、在学中に「女性として生きたい」ことが間違いないかどうか観察されるのでしょうか。

 「なりすましが発覚する」とはどういう場合なのか、改めて考えてみましょう。

 身体が♂である可能性は認められていますから、更衣室やシャワー室で「モノがついていた!」という意味ではありません。生殖器とは関係なく端的に「女性として生きる」心構えができていない、ということでしょう。しかしその心構えとは?

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