瞑想は「脳の構造と機能」を積極的に変える! 3種類の瞑想で脳の複数領域を発達させる方法とは!?
■“ソフトスキル”開発としての瞑想・マインドフルネス
20歳から55歳までの人々が参加した実験では、3種類の瞑想トレーニングをそれぞれ3カ月間続けてもらい、参加者は合計で9カ月のトレーニングを行った。
最初のトレーニングは「集中」で、参加者は注意散漫な状態から意識を集中し、呼吸と身体の感覚に注意を向けることを学んだ。
第2フェーズは「感情」で、その目的は他者への思いやりと共感能力を高めることである。参加者は「愛ある親切」に対処する特定の瞑想を学び、思いやりと共感能力を高めることに取り組んだ。
最後の3カ月は「パースペクティブ(遠近法)」で、他者の視点からの理解を深めながら、自分の考えを客観的に観察することに焦点が置かれた。
この合計9カ月の瞑想トレーニングプログラムの間、参加者の脳の状態が詳しくモニターされたのだが、「集中」のトレーニングでは脳の前頭前野前部(PFC)と前帯状皮質(ACC)の厚さが増したことが判明した。脳のこの部分は集中力や注意力に関係していることが知られている。
また「感情」と「パースペクティブ」でも、それぞれ能力に関係する脳の領域の質量が増加していた。
「多くの研究により、経験豊富な瞑想者が脳の構造と機能を大幅に変えていることがわかりましたが、初心者の比較的短い瞑想トレーニングでも変化することがわかりました。この変化は脳の認知機能を向上させ、幸福感を高め、うつ病や不安の症状を軽減します」(ウォルトン氏)
瞑想が脳を物理的に変化させ、メンタルの健康とパフォーマンスに好影響を及ぼすことは今後の社会生活においてますます重要な知見となるだろう。
「グローバリゼーション、常時接続性、および社会の複雑化に伴い、“ソフトスキル”がますます重要になっています。共感、思いやり、他者の視座などの社会的能力は、他者の感情や違いををよりよく理解するための不可欠な能力です」(ウォルトン氏)
アメリカではすでに少なくない学校がマインドフルネス教育をプログラムに取り入れており、親の世代もこれらの重要な概念を子どもの知育の発達に活用しているという。グローバルなレベルで変化の波が訪れている現代社会であればこそ、能力開発としての瞑想・マインドフルネスはますます重要視されてくるのだろう。
参考:「Collective Evolution」、「The Harvard Gazette」ほか
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