米「ワープスピード作戦」、露「スプートニクV」…短期間で安全なワクチンはできるのか? ケロッピー前田が斬る!
トランプ大統領は、コロナ対策が大統領選挙の争点となることを避けてきた。だが、自らの感染と治療が大きなニュースとなったことで、再び、ワクチンや治療薬についての関心が高まっている。
早速、ビル・ゲイツがCNNに登場して、トランプの治療薬についてコメントしている。
「大統領の治療に有効だったことでリジェネロンの治療薬の使用や承認が大きく前進したことは歓迎します」と語ると同時に「私たちの財団はそれらを製造する工場を確保しました」と抜かりない。その上で「治療薬というと誰にでも有効と思われますが、大統領のような重傷者には最適でした。我々は引き続き(予防のための)ワクチンの開発も急がなければなりません」と強調している。
実際、「ワクチンがなければ、パンデミックは収束しない」と世界規模のプロモーションを展開したのは、ビル・ゲイツ自身である。
ワクチン開発について、トランプ政権は「ワープ・スピード作戦」で挑んでいるとし、「大統領選挙前に完成させる」とアピールしてきた。しかし、10月7日になって、医薬品などに承認を与えているFDA(米食品医薬品局)は、審査前に2カ月間の安全性データを求める方針を示した。そのことで、すでに予定していたワクチン開発は間に合わないこととなった。
CNNでビル・ゲイツは、「検査機関は政治的圧力を跳ね返さなければならない」と皮肉たっぷりに答えている。大統領はワクチンに懐疑的だとした上で、政権の感染症対策のトップを担うアンソニー・ファウチの名をあげ、「彼が果たした役割は大きい」と大絶賛してみせた。
実際、この10月は、世界各国のワクチン開発においてもひとつの大きな山場となっている。国内での大手メディアもこぞって報道している通り、世界ではすでに9種のワクチンが「フェーズ3」の臨床実験の段階にあり、安全性や有効性が確認されれば、すぐに量産される体制という。
また、WHOが主導する国際的なワクチン分配の枠組み「COVAXファシリティ」には、日本を含むおよそ170の国と地域の参加が発表されている。10月9日には、中国が参加を発表した。
中国では、シノバック社、シノファーム社、カンシノ・バイオロジカル社などの計4種のワクチンが開発の最終段階にあるという。
また、アメリカ、ロシアは「COVAXファシリティ」への参加を見送っているが、ワクチン開発においてはともに先行している。
アメリカは、モデルナ社、ファイザー社&独ビオンテック社、ヤンセンファーマ(ジョンソン・エンド・ジョンソン・グループ)、さらにイギリスのオックスフォード大学&アストラゼネカ社に出資している。
ロシアのガマレア研究所の「スプートニクV」は、フェーズ3の臨床試験が始まる前にロシア政府が独自に承認してしまった。世界で初めて承認されたワクチンであるが、他国の専門家たちの間では安全性についての懸念が囁かれている。
新型コロナ対策に、ビル・ゲイツは自身の「ビル・ゲイツ&メリンダ財団」から、今年5月に1億2500万ドル(約133億円)を寄付し、新型コロナ対策に投じた総額はその時点で約3億ドル以上となっていた。同時期に、ビル・ゲイツの財団も参加して、治療薬やワクチンの開発支援をする国際会議がオンラインで開催された。この会議には日本やEUも参加、8750億円を目標に資金拠出が呼びかけたという。
ビル・ゲイツが宣伝塔となって、治療薬やワクチンの開発のため、世界各国政府も巻き込んで巨額を集めているというわけだ。では、その資金はどのように使われているのだろうか?
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2024.10.02 20:00心霊米「ワープスピード作戦」、露「スプートニクV」…短期間で安全なワクチンはできるのか? ケロッピー前田が斬る!のページです。ビル・ゲイツ、ワクチン、新型コロナウイルスの時代などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで