チェルノブイリの立入禁止区域で「鳥サイズの蝶」発見
チェルノブイリの立入禁止区域で「鳥サイズの蝶」が発見される!! リアル「モスラ」状態… 放射能の影響なのか!?
■原発事故後に戻ってくるチョウたち
しかしなぜ、ほかの昆虫種が立入禁止ゾーンから逃げ出しているのに、この巨大なチョウはこの地に戻ってきたのだろうか。
立入禁止ゾーン内で見つかったムラサキシタバは見たところ何の異常もないように見える。ひょっとすると放射線によって悪影響を受けているのか、それとも変異しているのかという懸念も浮上してくるが、今のところ専門家でも調べる術がない。
日本の福島第一原子力発電所事故のケースでは、事故当初その周囲から一度昆虫は姿を消したのだが、しばらくするとやはりチョウだけが戻ってきている。ただ、そのチョウには異常な兆候が見られたのだ。
特に事故後の放射性降下物に幼虫としてさらされたヤマトシジミチョウの約12%が、羽の折れやしわ、羽のサイズの変化、色のパターンの変化、斑点の数の変動などの異常が発生していた。ヤマトシジミは以前よりも小さく、成長が遅く、死亡率が高くなっていたのである。また異変は鳥や植物にも及んでいたことを報告する研究論文も発表されている。
福島の事故の25年前のチェルノブイリ事故では、政府の情報統制によってこうした調査はすぐにはできなかったが、福島のケースでは世界各国の科学者による各種調査・分析が比較的自由に行われてきた経緯もある。
チェルノブイリと福島の科学者たちは、将来の災害に備えるために、野生生物の放射線による被害を詳細に調査・研究している。なぜ巨大なチョウがチェルノブイリ周辺で繁殖できるのか。その答えを知ることには意義があるのだが、やや複雑な心境になるのも事実だ。
参考:「Mysterious Universe」、「Sputnik」、「RT」、ほか
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