「日本の刑務所で26年間人体実験された」元ヤクザが“精神薬漬け”の日々を暴露! 廃人同然にされた“闇のクスリ”とは?

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 コロナ禍のストレスで、不安障害やうつ病などの精神疾患を抱える人が増えているという。しかし、筆者はその治療のために抗/向精神薬に頼ることが本当に有効なのか、以前から疑問に思ってきた。というのも、精神薬は脳に一時的な作用をもたらすかもしれないが、いくら服用したところで目の前の現実は変わらない。むしろ、魔女占い師・カウンセラーである筆者の周りには、精神薬の中毒症状に苦しんだり、異常行動や自殺をしてしまった人々さえいるのだ。

 政治活動家として、安倍首相在任中は反政権デモや集会を主催するなど積極的に活動してきた田中正道氏も、かつて精神薬の中毒に苦しんでいたと語る。この田中氏は、かつて住吉連合会に所属し、刑務所に26年間服役していた元暴力団員だが、なんと中毒は拘置所で始まったのだという。

■元ヤクザが刑務所で味わった恐怖

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田中正道氏

田中正道氏(以下、田中)  始まりは拘置所で不眠症を患い、ハルシオンを服用したのがきっかけでした。だんだんと効かなくなり、分量が増えて、普通の人の倍は服用するようになったのです。そして、刑務所ではデパスをはじめ複数の睡眠薬・精神安定剤を服用するようになりました。

――改善するどころか、量も種類もどんどん増えてしまったのですね。

田中  はい。ただ不審な点があります。なぜか、刑務所で出される睡眠薬・精神安定剤の種類や量が毎回違っていて、一概に増えていたわけではないんですよ。

――それはつまり?

田中  刑務所が囚人に人体実験をしていたのではないか、と私は思うのです。睡眠薬・精神安定剤の処方以外に、鳥インフルエンザや狂牛病がはやった時もおかしかったんです。鳥インフルエンザの時はクリスマスでもないのに食事としてチキンレッグが出され、翌日に半分以上の囚人が腹を壊していました。そして狂牛病の時は、いかにも豪華な分厚いステーキが出されました。刑務所が、余った鶏肉や牛肉を引き取ったという話も耳にしました。

――それは穏やかではない話ですね。では、精神薬の中毒症状について、経過はいかがでしたか?

田中  あらゆる精神薬が効かなくなり、「もっと薬を出してほしい」と俺はおかしくなったふりをしました。そして、最終的に処方されたのがソセゴンです。これがヤバいんですよ。ずっと寝たままになり、起きられなくなって、ほとんどご飯も食べられなくなりました。刑務所の工場作業もできなくなりました。精神がおかしくなり、人と会ったり話したりするのが嫌で、幻聴が聞こえたりもしました。最後の6年の服役では独房に入れられました。

――田中さん以外にも精神薬を処方されていた囚人はいましたか?

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田中正道氏

田中  はい。ソセゴンよりもっとヤバい薬をのんだのか、完全に気がふれた人もいました。急にわめき散らして狂乱したり。

――刑務所を出てからも精神の病は続いたのですか?

田中  出てからも、とにかくソセゴンがほしくて、気が変になりそうでした。服役する前に違法薬物をやっていた経験がフラッシュバックして、また薬物に手を出してしまいました。1年半くらいでやめましたが。

――それはどうやってやめることができたんですか?

田中  ある時、愛する妻が入院して、娘のためにヤクをやめるよう頼まれたんです。その時、俺はやめる決意をしました。やめてから、しばらくはうつになって酒に依存してしまいましたが。

 

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■「人権侵犯救済の申立」相次ぐ日本の実態

 田中氏が処方されていたソセゴンに関して、医療ジャーナリスト・薬剤師の吉澤恵理氏に見解をうかがった。

吉澤恵理氏  ソセゴン(ペンタゾシン)は麻薬拮抗性鎮痛薬に分類され、教科書的にはモルヒネ類似の鎮痛、鎮静作用を有するが依存性は起こりにくいとされます。しかしながら、ソセゴン中毒とも呼ばれる依存症に陥る人も少なくありません。その多くは治療でソセゴンを使用したことがきっかけともいわれます。私が薬剤師になったのは今から28年前で病院勤務でしたが、当時ソセゴンの盗難事件がありました。ソセゴン中毒の患者は、使用によって強い多幸感を得られ、一方で離脱の際は強い不安感や悪夢を見るといいます。医師も患者への使用は非常に慎重になる薬の一つです。

 また、精神薬・睡眠薬への依存症状に詳しい一般社団法人日本アディクションプロフェッショナル認定協会のカウンセラー、藤永マキ氏は次のように語る。

藤永マキ氏  ソセゴンとは一般名「ペンタゾシン」で、1966年にアメリカで合成され、モルヒネ類似の鎮痛、鎮静作用があり、ヘロイン・コカイン・マリファナと並び、その常習性(依存性)が認められているオピオイド系の鎮痛薬であり、日本も薬物依存として症例報告がされています。

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藤永マキ氏

 田中さんのケースは、刑務所内で向精神薬からソセゴンまで、次々と中枢(脳)に作用する薬物が処方されたようですが、他にも入所前の診断が認められなかった例、移送の際に処方薬の引き継ぎがされなかった例など、収容者に対して必ずしも適切な治療が行われなかったとし「人権侵犯救済の申立」がなされ、全国で何度も勧告されています。

 しかし、これは単に「塀の中」だけの話ではありません。身体拘束や、長期間に及ぶ多剤大量処方による「ドラッグロック」(薬による拘束)、解錠を依頼しなければ面会できない閉鎖、隔離病棟への収容、長期間の入院など、たとえ塀の外でも精神科病院と呼ばれる“収容施設”で、何の罪も犯していない人たちが、今この時も人権を侵害され続けているのです。しかもそれは、明日は我が身でもあるのです。この事実は、どうか胸に留め置いてほしいと願います。

 

 田中氏のケースは刑務所内での出来事だが、依存性の高い精神薬の服用で健康な人が重度の精神疾患を患い、精神科で身体拘束を受けて刑務所のような環境に追いやられる(自らを追いやってしまう)事例はあるようだ。

 厚生労働省の調査によると、精神科で身体拘束をされている患者は、ここ10年で倍増しており、現在1万人以上にも達するという。身体拘束は重症化している患者の自殺や自傷、他者へ危害を加えることを避けるために実施されるが、その基準は曖昧だ。なかなか薬を飲まない人にも身体拘束を行うケースもあるという。

 治療のためとして処方された薬の強い依存性と副作用によって、病が治るどころか悪化し、人生を棒に振ってしまうリスクがあるのだ。

文=深月ユリア

ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表。『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』(明窓出版)大好評発売中!
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