海面下5000メートルに眠る2.2トンの金塊! 日本の潜水艦『伊52』、発見されてなお手の届かぬ100億円超の財宝

海の底に未回収の財宝が眠っている——そんな話は眉に唾ものだが、これは正真正銘の史実だ。第二次大戦中、2.2トンもの金塊を積んだまま大西洋に沈んだ日本の潜水艦が、実在する。
だが、その船体が数十年の捜索の末に発見されてなお、金塊はいまだ誰の手にも渡っていない。執念の財宝ハンターと、それを阻む海の物語を紹介しよう。
ナチスへの「支払い」を積んだ秘密の航海
舞台は1944年3月10日。旧日本海軍の潜水艦「伊52潜(伊号第五十二潜水艦)」は、日本の呉軍港からナチス・ドイツ占領下のフランスを目指して出港した。コードネームは「モミ(樅の木)」。フランスのロリアン近海でドイツのUボートと合流する手はずだった。
その船倉には、ドイツから供与された技術への対価として送られる2.2トンの金塊が積まれていた。現在の価値で優に100億円を超える額だ。
積み荷はそれだけではない。タングステンなどの希少金属やアヘン、シンガポールで積み込んだ生ゴムや錫まで、まさに宝船である。これは本来、秘密作戦だったはずだ。
暗号を解かれていた「宝船」の最期
ところが、連合国の暗号解読班は伊52の航路を記した機密地図をすでに読み解いていた。向かう先は敵に筒抜けだった。
迎え撃ったのは米護衛空母「ボーグ」だった。空母から飛び立った雷撃機を操縦するジェシー・D・テイラー少佐は、音響探知ブイで潜水艦のスクリュー音を捉え、すかさず魚雷を放った。
命中を確信しきれなかった米軍がもう一発を投下すると、巨大な爆発が起こり、海は再び静寂に包まれた。翌日、現場に近づいた駆逐艦の乗組員が目にしたのは、絹の切れ端やサンダル片、大量のゴム、そして散乱した人体の一部だった。撃沈は確実だった。だが金塊は一片も回収されることなく、イ52は長く「失われた船」となった。
図書館に通いつめた男、半世紀越しに「亡霊」を発見する
そんな伝説に取り憑かれた男がいた。ベトナム戦争帰還兵から沈船研究家へ転身したポール・ティドウェル氏だ。
彼は数十年をかけ、米議会図書館や国立公文書館、海軍博物館に通いつめ、数千ページの航海日誌や記録に目を通した。やがて機密解除されたばかりの情報報告書や解読済みの敵性無線が、バルバドス島とカーボベルデ諸島の中間あたりの海域を指し示した。
財宝の噂は投資家を動かし、1995年までに100万ドル超の探査資金が集まった。だが海底を走査しても伊52は頑として姿を見せない。
転機は、海洋探査技術企業の専門家による「航法記録にズレがあるのではないか」という助言だった。捜索範囲を修正した1995年5月2日、ついに深海に「亡霊」が浮かび上がる。海面下およそ3マイル、約5000メートルの底に横たわる伊52の姿だった。半世紀越しに、男は自らの潜水艦を見つけたのである。
闇に消えた金塊——回収はなぜ阻まれ続けるのか
だが、船体を見つけることと金塊に手が届くことは別問題だった。3年後、ティドウェル氏は深海潜水艇3機を載せた調査船で再び現場へ戻る。映画『タイタニック』の撮影にも使われた船だ。船体は爆発で一部が砕けていたものの形を保ち、木製の甲板材は半世紀を経てなお残っていたという。
ところが、高揚はやがて失望へと変わる。潜水艇が見つけたのは、アヘンの詰まった金属箱、錫の塊、そして一足の靴だった。靴は命を落とした人々の存在を静かに物語る。海域は現在、戦没者の墓所に指定されている。海底の砂からは金の化学的痕跡もわずかに検出された。だが2.2トンの金塊そのものは、いまだ一度も浮上していない。
回収されていない金の延べ棒は、まだ調査の及ばない船体最深部の暗がりに眠っているのではないか——そう考えられている。
撃沈から80年余り。船も痕跡も見つかった。それでも2.2トンの財宝は、深海の底で頑なに姿を見せない。伊52の金塊が陽の光を浴びる日は来るのか。宝船は、執念の財宝ハンターを今も手招きしている。
参考:Popular Mechanics、ほか
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2024.10.02 20:00心霊海面下5000メートルに眠る2.2トンの金塊! 日本の潜水艦『伊52』、発見されてなお手の届かぬ100億円超の財宝のページです。財宝、潜水艦、金塊などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで