「意識は脳の電磁場に宿る」脳のWi-Fiで無線エネルギーをキャッチ! 自由意思の謎に迫るセミ・フィールド理論とは?

 人間の脳と同等以上の知能を持ち、人間と同じ五感を備えたロボットははたして“意識”を持つのか? 専門家の間でも議論が続いている問題なのだが、ではそもそも意識はどこに芽生えているのだろうか。ある専門家は人間の意識は脳の電磁場で発生していると説明している。いったいどういうことなのか――。

■マクファデン教授「意識は脳の電磁場に宿る」

 もはや我々人間は将棋や囲碁でAI(人工知能)に勝てなくなってしまったのだが、対局中の将棋AIは地震が来ても逃げることができないだろう(今のところは)。対局中の地震に人間が逃げられるのは我々には“意識”があるからにほかならない。

 ではこの我々の意識はどこに宿っているのか。

 英・サリー大学の分子遺伝学教授であるジョンジョー・マクファデン氏は、人間の意識は脳の電磁場に宿るという「セミ・フィールド理論(cemi field theory)」を提唱している。それは脳のWi-Fi電波のようなものであるということで、意識は物質をつなぐ“有線”の世界の存在ではなく、エネルギーという“無線”の世界の産物であるという。

「Aeon」の記事より

 場の古典論によれば、今後さらにAIが進歩したとしても、意識が芽生えることはないという。どんな発達したAIでも、それが物質としてのハードウェアである限り、意識を持つことはないというのだ。

 マクファデン教授によれば、人間の脳神経細胞が活発に活動する時、電磁場が発生して“無線”の回路が出現するという。この回路によって物質レベルではつながっていない神経細胞同士の“無線通信”が可能になるのだ。そしてこの電磁場によって無線で神経細胞が相互につながった状態で起きている現象が意識であるというのである。

『量子進化―脳と進化の謎を量子力学が解く!』(共立出版、2003年刊)などの著書を持つマクファデン教授は、量子力学を進化生物学に適応するという、融合的な研究に挑んでいる。

 マクファデン教授は2000年にセミ・フィールド理論を発表しており、昨年には最新バージョンを発表した。理論の重要な要素は、我々が「自由意志」と呼ぶものの性質を理解する上での斬新な洞察である。

「Amazon」より

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