「売れる前のフワちゃんを一目見て衝撃を受けた…」お笑い第七世代がここ数年で急に台頭した理由を分析!(ラリー遠田×キック対談)

 お笑い評論家のラリー遠田の新刊『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)が発売された。この本では、第一世代から第七世代まで芸人を7つの世代に分けて、その歴史を振り返っている。

 本の発売を記念して、著者であるラリー遠田とサイキック芸人のキックの特別対談が行われた。第2回では、今をときめく「第七世代」の芸人について語り合った。

<前回はこちら!>

※お笑いの年表:画像をクリックすると拡大します

ラリー:キックさんは、最近の第七世代と呼ばれる若手芸人のことはどう思っているんですか?

キック:なんか、みんなやっぱりかわいらしく感じちゃいますよね。真面目で人畜無害というか、害をもたらしてくるような人たちじゃないのが新世代なんだな、という感じがあって。

ラリー:従来の芸人のイメージとは違いますよね。やっぱりビートたけしさんとかって、面白さだけじゃなくてちょっと危なさもあるじゃないですか。実際会ったら怖そうだな、みたいな。

キック:やっぱり笑いって緊張と緩和だったりするから、それに慣れてきた僕たちの世代からすると、全然違う感じはします。ただ、第七世代の芸人がそういう感じだっていうのは、お笑いの流れが変わったというのもあるけど、今の子たち全体がそうなんだろうな、と思うんですよね。

ラリー:なるほど、芸人だけじゃないと。それにしても、第七世代がここ数年で急に台頭してきたのは驚きました。少し前までは、もっと芸歴を重ねていないとテレビには出られないっていう風潮があったじゃないですか。

キック:オリラジ(オリエンタルラジオ)が出てきたときも結構叩かれていましたもんね。

ラリー:そうそう、オリラジは下積みなしでいきなり売れちゃったけど、そういうのはなかなか上手くいかないよね、っていう感じがありました。

キック:「芸人は15年寝かせなきゃダメだ」っていう話があるんですけど、自分でやっていてもそうだなと思うんですよね。ある程度長いことやっていないとお笑いのルールがわからなくて、本当にやっちゃいけないことをやってしまったりすることがあるんです。だから、とにかくやめないで長くやっていること自体が芸になってくるという部分はある。

でも、第七世代の芸人がこんなにパッと出てきて信頼されているということは、それこそ宇宙人のような超越的な存在の影響があるのかな、と思うんですよね。

ラリー:宇宙人!?

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