「ミソキネシア」― 動いている人を見るとイライラする症状の謎 3人に1人がミソキネシア
あなたは、他の人がそわそわしたり、同じ動きの繰り返し(貧乏ゆすり、指で机を叩く動作、ガムを噛む動作など)を見た時に、強い否定的な感情、考え、または身体的反応を感じたことがあるだろうか?
もし、答えが「イエス」なら、あなたは「ミソキネシア」かもしれない。
■他者の動きに苛立つ症状「ミソキネシア」
「ミソキネシア」は、他人のそわそわした貧乏ゆすりや、同じ場所を歩き回る様子、小さいが繰り返される動き(咀嚼する時の口元、ペンをカチカチとノックする動作)等を「見た」時の心理的な反応で、「動きへの苛立ち」として知られる症状だ。「ミソキネシア」は、日常生活に深刻な影響を与える可能性があると専門家は述べている。
「ミソキネシア」の研究はこれまでされていなかったが、今回の研究では、驚くことに3人に1人が「ミソキネシア」であると報告されている。この研究は、8月26日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載された。
研究は、カナダ・バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学の博士課程学生スミート・ジャスワル氏とトッド・ハンディ教授によって行われた。ハンディ博士はある時、恋人からそわそわとした動きを指摘され、ミソキネシアを研究するように促されたという。また恋人は博士や他人が落ち着きのない動きをしているのを見るたびに、大きなストレスを感じているのだと告白した。
それを機会にハンディ博士は「視覚認知神経科学者として、これは脳で何が起こっているのかを知りたいと、強く興味をそそられました」という。
そこでハンディ博士とチームは、4100人の参加者を募集した。参加者は「他の人がそわそわしたり、同じ動きを繰り返す(例として貧乏ゆすり、指で机を叩く動作、ガムを噛む動作)を見た時に、強い否定的な感情、考え、または身体的反応を感じたことがありますか?」など幾つかの質問をされた。
その結果、3人に1人(37.1パーセント)は、「動きへのイラつき」として知られる心理的現象「ミソキネシア」を、経験していることがわかったのだ。
「ミソキネシア」の症状は、日常生活に深刻な影響を与える可能性がある。
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