長生きのためなら手段を選ばない過激派組織「延命主義者連合」の主張とは!?
※ こちらの記事は2019年8月18日の記事を再掲しています。
「長寿」は多くの者が望むことではあるが、過激に「延命」を追い求める人々がいる。いわゆる「延命主義者」であるが、彼らはどれだけ長生きしたいというのだろうか。
■「急進的な延命主義者連合」とは
延命主義者(あるいは長寿主義者、不滅主義者)は、2つのタイプに分かれる。
まずは合理主義者だ。老化研究を通じ、老化を止めるために多くの技術的、科学的問題を扱う実践的な研究者である。
もう1つのタイプは実業家だ。科学者ではないが強い決意で不死を追い求め、老化の根本原因を探索し、そこに投資する。
2016年に、アメリカの不動産投資家のジェームズ・ストロール氏は、非営利団体の「急進的な延命主義者連合」をアリゾナ州に創立した。この団体は、人間の寿命を大幅に延ばすために、老化科学の支援・促進を目的としている。
現代医学は、私たち人類がより長く生られることを可能にしている。しかし、それはストロール氏の関心事ではない。無期限、または少なくとも150歳まで生きることを望んでいるのだ。
ストロール氏は子どもの頃から、不死に憧れていた。彼が11歳の時に祖母が死に、彼は「説明することさえできない、身体の中でとても深い痛み」を感じたと言う。そして彼は、人の死は不公平で理不尽であると考えるようになった。
1970年代初頭、ストロール氏が20代の時、老年学研究はまだ、ごく限られたものであった。そこで彼は健康の専門家として、アメリカ各地への講演旅行を開始した。当時の彼の講演は、現在ではごく常識的である健康的な生活のヒントや、運動の大切さ、質の良い食事について語るものであった。
それでも一部の人々にとって、彼のメッセージ「永遠に生きる」は、急進的に映り、いつも好評とは限らなかった。観客はストロール氏の考えに警戒し、彼は神の意志を試している、または自然の秩序を乱していると非難された。彼は人々から「悪魔」と呼ばれ、死の脅迫さえ受けたが、彼は屈しなかった。
ストロール氏は現在70歳で、砂漠の町、米アリゾナ州スコッツデールに住んでいる。
彼は人間の死に関し、重大なブレークスルーがやがて来ると確信している。そのため、彼は「その時」に備え、何世紀にもわたって生き続けられる身体を準備するべく、厳格な健康管理を行っている。
彼は早朝、アリゾナ州の空気がまだきれいな時間に、免疫器官を刺激するためにプールの冷たい水に入る。次に、「血管をより開き血行を良くする」という電磁マットの上に横になり、ホルモンバランスを整える呼吸を行うのが日々のルーティンである。
食事では乳製品を避け、パンを食することもめったにないが、代わりに山ほどサプリメントを摂る。サプリメントは、彼のアンチエイジングの一部だ。ストロール氏は「ミトコンドリアを活性化」するものや、「コーヒーの良い効果のみを集めた」ものをはじめ、ビタミン、多栄養素とメトホルミンを含む計70種類ものサプリメントを摂取する。また糖尿病治療薬は、延命主義者の間で非常に人気があり、「アンチエイジングの万能薬」と呼ばれているともいう。
■「無限の命は副産物であり目標ではない」
では延命主義者の言う「延命学的な躍進」は、本当に近いのだろうか? これまでのところ、延命学研究は幾つかの発見をしているが、それは一般人にとってまだ現実的ではない。
米国政府機関である国立老化研究所のディレクター、リチャード・ホッド氏は、動物における研究では、寿命はすでに何倍にも延長可能だという。
生物学者のローラ・デミング氏は、2011年に延命学研究を行うベンチャーキャピタル会社「Longevity Fund」を設立した。デミング氏も、老化する細胞やミトコンドリア等の老化の生物学的マーカーを根絶することに、すでに成功していると話す。
延命主義者として有名な科学者のデ・グレイ氏は、延命は単なる健康問題ととらえている。我々の望んでいるのは死を無くすことではない、と彼は話す。
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2024.10.02 20:00心霊長生きのためなら手段を選ばない過激派組織「延命主義者連合」の主張とは!?のページです。アンチエイジング、老化、長寿、延命主義者、過激思想などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで