「捕まえてくれ、自分を制御できない」口紅で書き残す殺人鬼、リップスティック・キラーの正体と残された謎とは?
警察は大学のハイレンスの部屋や彼の実家、そして彼が管理していたロッカーを捜索した。ロッカーからは彼が行ってきた窃盗の証拠が発見され、指紋も採取された。そしてこの指紋が、身代金メモに付着していた指紋の9点と一致することが判明した(12点の一致で完全一致とされる)。だが、この事実は後に争われることとなる。
また、警察はハイレンスが供述した「ジョージ・マーマン」を追うためハイレンスの友人や家族にも尋問しているが、手がかりは得られなかった。そこで、ハイレンスのミドルネームが「ジョージ」であることを踏まえ、警察はハイレンスこそが「リップスティック・キラー」であると断定。証拠の不十分さや自白の有効性について議論もあったが、最終的に警察はハイレンスを起訴した。逮捕から17日後の1946年7月12日のことだった。
ハイレンスは裁判で3件の殺人すべてについて自分の犯行であることを認めた。しかし、これは司法取引を断った場合に起こる事態を恐れたためだった可能性があるという。確かにハイレンスは死刑を免れたが、65年間にも及ぶ残りの人生を刑務所で過ごすこととなった。彼は83歳で死亡するまで無罪を訴え、3回の自殺未遂を起こした。なお、ハイレンスは2008年のインタビューで「生きていれば、無罪を証明するチャンスはまだあります。だから、死ぬよりは生きていた方がましだったのです」と語っている。
ハイレンスの主張が正しいとすれば、冤罪で一人の人間の人生を台無しにしただけでなく、真のリップスティック・キラーを野放しにしたことになる。米国の警察や司法の信頼に関わる重大事件として、今後全ての真実が明らかになる日が来るのだろうか。
参考:「All That’s Interesting」、「CRIMINAL MINDS」、ほか
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