「顎のない男性」が見つけた本物の愛! 周囲の悪意と無理解に屈せず、力強く歩む人生
米イリノイ州シカゴに住む男性、ジョセフさん(41)は、「口顔症候群」と呼ばれる極めて珍しい先天性奇形によって生まれつき顎がなかった。
口顔症候群の患者のほとんどは呼吸や食事が適切にできず、生き延びることができない。顎の再建手術を行っても、舌は未発達で、自力で呼吸や嚥下が不可能であることも多い。患者は生涯にわたって呼吸と栄養摂取の補助が必要となり、人生のほとんどの時間を病院でのケアを受けながら過ごさなければならない。口顔症候群の発症率は、出生5万~25万人に1人とされる。
ジョセフさんは生後すぐにシカゴの病院に連れて行かれ、何度も手術を受けた。顎を形成するために骨と皮膚を移植したが、成長するにつれて移植部分で拒絶反応が現れ、結局はもとの状態に戻ってしまった。
ジョセフさんは自力で食べたり話したりできない上、首には呼吸をサポートする管がある。食事はチューブを通して直接胃に流し込む。そのため、食べ物を味わったことがないという。他者とのコミュニケーションでは、手話、ジェスチャー、メモ、携帯電話を使っている。手話は2歳のときに教わったという。
成長に伴って大変なことも増え、やがて養子に出されるなど数多くの問題に直面したジョセフさんだが、できるかぎり悪影響が生じないようによう努めてきたという。しかし、ひとたび家から出れば陰湿ないじめを受けたり嫌悪されたりする状況がずっと続き、「自尊心の低下と無価値感」に苦しみ続け、いつか異性とデートできる日が来るとは思ってもいなかったという。しかし、2019年にヴァニアさん(39)と恋に落ち、自信を取り戻し始めるともに彼の人生は大きく変わった。
ヴァニアさんは、ジョセフさんと出会うまで「障害を抱える人とデートしたことがなかった」と述べる。そのため、2人の関係がどうなっていくのか全く予想できなかったという。やがて2人の関係は恋愛へと発展していったが、誰かから2人の関係を疑われるた時、不意に「恥ずかしい」という気持ちが生じて「ただの友達」であるとしばしば嘘をついたと告白する。
「時間をかけてジョーについてよく知るようになってから、彼の心と性格を見るようになりました」
2人は携帯電話と手話でコミュニケーションを取りながら、お互いに愛情を深め合ってきた。
しかし、2人の関係には障壁もある。ヴァニアさんのジョセフさんに対する愛は偽りで、彼女は周囲の同情を得ようとしているだけだと赤の他人から中傷されることがあるという。「注意を引くために恋愛関係を偽っている」「彼にキスできない」「彼を騙している」など事実無根の批判をされたり、2人の性行為を揶揄するような言葉まで投げかけられた。こうした周囲の無理解と悪意に対して「神経がすり減ってしまう」と訴える。
「私たちが一緒に外出すると、基本的に凝視されます。携帯電話を取り出して写真を撮ったりする人もいます」(ヴァニアさん)
ジョセフさんは、人々からの嫌悪を「はっきりと感じている」と語る。その上で、心ある人々に対して、自分たちの困難を無視するのではなく、何が起こったのかを尋ねてほしいと訴える。
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2024.10.02 20:00心霊「顎のない男性」が見つけた本物の愛! 周囲の悪意と無理解に屈せず、力強く歩む人生のページです。恋愛、移植、障害、顎、先天性奇形などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで