「世界アルツハイマーデー」 AI診断で発病6年前に100%の精度で異常を発見可能
学習には約1000人分の脳スキャン画像約2000枚が使われた。画像はFDG-PET(18-F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography)という特殊なイメージング技術を用いて撮影されたもので、アルツハイマー病の脳に起こる代謝の微妙な変化を捉えられるという。
今のところ原因は不明であるが、アルツハイマー病の脳ではグルコース代謝に異常が起き、グルコースをエネルギーとして吸収できなくなるという。この変化は早期から少しずつ脳の中に広がっていくというが、人間にはその微妙な変化を捉えることは難しい。
そこで研究者たちはAIに期待をかけた。そして大量の画像で学習を積んだAIは、脳の中で起きているごく微妙な代謝変化の兆候をとらえ、見事アルツハイマー病を検出できるようになったのである。著者らは今後も同様の手法でAIを学習させ、アルツハイマー病にに特異的なアミロイドβやタウタンパク質などが脳に沈着するパターンなども検出できるようにしたいと考えている。
アルツハイマー病は発症してからでは脳の萎縮が大きく、治療の手立てもない。だが、FDG-PETとAIによる画像診断でアルツハイマー病を早期発見できるようになれば、進行を遅らせたり停止させたりする方法を見つけることができるかもしれないという。高齢化が進む日本では、認知症は大きな社会問題の一つである。アルツハイマー病を治療することができれば、患者本人のみならず、家族や医療・介護関係者も大いに救われることだろう。研究の進展に、世界中から大きな期待が集まっている。
(編集部)
参考:「Daily Mail」「Science Daily」「Radiology」、ほか
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